XRPが200日移動平均を下回り、ビットコインは10万5000ドルへ下落──トレーダーはコアPCEに注目
  • XRPは200日単純移動平均を下回り、下落傾向が強まる可能性を示している。
  • ビットコインは、現物ETFからの3億5800万ドルの資金流出と貿易戦争の再燃懸念の影響を受けて、大幅な下落を記録した。
  • 主要なインフレ指標であるコアPCEデータは、市場心理に影響を与え、連邦準備制度理事会の今後の利上げ判断にも影響を与える可能性がある。

暗号資産(仮想通貨)市場は5月30日に暗いムードに包まれ、エックス・アール・ピー(XRP)はビットコイン(BTC)や他の主要なトークンの下落に伴い、重要なサポート水準を割り込んだ。トレーダーたちはアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標であるコアPCEの発表を待っていた。

決済に焦点を当てたXRPは、4月10日以来初めて200日単純移動平均線(SMA)を下回った。これは下落トレンドの強化を示している。TradingViewによると価格が2.20ドルを割り込み、24時間ベースで4.6%下落した。

この下落は、XRPが企業財務資産としての需要が増加しているとの報告を受けた後に起こった。

[XRPは200日単純移動平均を下回った。:TradingView]

時価総額が最大の暗号資産であるBTCの価格は、ヨーロッパ取引時間中に一時的に10万5000ドルを割り込み、前日の夜間から続く下落を拡大し、24時間ベースでほぼ3%下落した。

BTCの下落は、SoSoValueのデータによると、27日に11のBTC現物ETF(上場投資信託)から3億5800万ドル(約519億1000万円、1ドル=145円換算)の純流出が発生したことが要因だ。これは5月13日以降、初めての純流出で、3月11日以来の単日最大流出額となった。貿易戦争が再燃するという懸念も市場心理を圧迫した。

Coingeckoのデータによると、他の主要暗号資産であるイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)も大幅な下落を記録し、オプティミズム(OP)、アービトラム(ARB)、ボンク(BONK)、ぺぺコイン(PEPE)などの小型トークンはそれぞれ10%を超える下落となった。

米コアPCEに注目が集まる

FactSetが調査したエコノミストの予測によると、個人消費支出(PCE)指数で表される消費者物価は、4月に前月比0.15%上昇し、3月の2.3%から年間インフレ率は2.2%に低下すると見られる。

FRBが重視するコアPCE(価格変動の大きい食品とエネルギーを除いた指標)は、月間で0.12%、年間で2.5%上昇すると見込まれている。

インフレがもう1カ月、良好な結果を示せば、FRBの利下げ期待が高まり、BTCを含む資産に好材料となる可能性がある。

「今日発表されるコアPCEデータに注目が集まっている。インフレが緩和の兆候を示せば、強気なセンチメントが再燃する可能性がある」と、BRNのアナリストのヴァレンティン・フォーニエ(Valentin Fournier)氏はメールで述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:XRP Falls Below 200-day Average, Bitcoin Dips to $105K as Traders Eye Core PCE