
- 市場は5月30日、米中貿易摩擦の再燃に対する懸念が高まったため、下落した。
- ビットコインは10万4000を下回る水準まで2.1%下落し、CoinDesk 20 Indexは4.2%下落した。
- スマートコントラクトプラットフォームと暗号資産(仮想通貨)関連株は大幅な下落を記録し、ビットディア(Bitdeer)は8.3%下落した。
市場は5月30日、関税をめぐる不透明感の再燃を受けて下落した。
ビットコイン(BTC)は過去24時間で2.1%下落し、一時的にセッション安値の10万3900ドルを付けた後、10万4000をわずかに上回る水準で取引されている。
CoinDesk 20 Index(ステーブルコイン、ミームコイン、取引所コインを除く時価総額上位20の暗号資産のインデックス)はさらに大きく、4.2%下落した。
スマートコントラクトプラットフォームが特に打撃を受け、ソラナ(SOL)、スイ(SUI)、アバランチ(AVAX)がそれぞれ、6.3%、7.8%、7.3%下落した。
暗号資産関連株も打撃を受け、特にビットコインマイニング企業のビットディアは、4月16日から5月21日までの間に株価が132%上昇した急騰の後、30日には8.3%下落した。
ストラテジー(Strategy)は2.7%安、コインベース(Coinbase)は1.3%安となった。
下落は暗号資産業界に限ったものではなかった。S&P 500とナスダックはそれぞれ1%と1.5%下落し、金も0.7%下落した。
米中関税紛争:第2ラウンド?
値動きの背景には、今月上旬に合意が成立したにもかかわらず、米中貿易摩擦が再び激化したことがある。ドナルド・トランプ米大統領が自らのソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」への投稿で、中国が両国間の関税休戦協定に「違反」していると非難したことから、懸念が生じている。
一方、ベッセント米財務長官はフォックス・ニュースのインタビューで、中国側代表との協議は「行き詰まっている」と述べた。
これに対して中国は、「誤った行動を直ちに是正し、差別的な制限を停止する」よう米国に求めた、とBBCは報じている。
米中間の緊張緩和により5月、リスク資産は上昇し、ビットコインが史上最高値を更新する追い風となった。しかし、今回の緊張の再燃により、その上昇分の一部が失われるおそれがある。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:5月30日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Slips Below $104K, Cryptos Slide as U.S.-China Tariff Tensions Flare Up