FTXの50億ドルの弁済、市場にプラスの影響を与える可能性:コインベース
  • FTXリカバリートラストは5月30日から債権者に50億ドル(約7200億ドル、1ドル144円換算)を弁済し、支払いは週末にかけて行われる予定だった。
  • 2月の最初の弁済ラウンドでは、小口債権者に70億ドル(約1兆80億円)が支払われた。
  • 市場のムードは現在、より楽観的になっており、弁済の影響が増幅される可能性がある。

FTXリカバリートラスト(FTX Recovery Trust)は、5月30日から債権者に50億ドル(約7200億ドル)以上の現金とステーブルコインの分配を開始し、資金はビットゴー(BitGo)とクラーケン(Kraken)を通じて3営業日以内に口座に入金される予定だった。

コインベース(Coinbase)のアナリストは5月30日のレポートで、この弁済の波が暗号資産(仮想通貨)市場を押し上げる可能性があると記した。

これは、取引所の破綻後、2回目の大規模な弁済だ。2月18日に開始された最初の弁済では、5万ドル(約720万円)未満の債権者に約70億ドル(約1兆80億円)が弁済された。当時、暗号資産市場全体はマクロ的な逆風を受け続けており、この弁済が市場を押し上げることはほとんどなかった。

今回の分配の波は、投資家のセンチメントが変化しているなかで発生したとアナリストらは述べた。支払いは現金や暗号資産ではなく、ステーブルコインで行われ、受取人はオンチェーンでの流動性を即座に得られる。これは、資金が再投資されるかどうかに影響する可能性がある。

主要資産の上昇や規制をめぐる政治的な透明感の向上もあり、暗号資産市場には楽観ムードが広がっている。暗号資産を監督する米規制当局の役割を定義する法案の可決に議会が近づくなかで、特に機関投資家は、流入する資金に対してより安心して行動できる可能性がある。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Unsplash
|原文:FTX Repayments May Have Positive Market Impact: Coinbase