ニューヨーク市長、ビットコイン担保債権を提案──会計監査官は「財政的に無責任」と批判
  • ニューヨーク市会計監査官のブラッド・ランダー氏は、法的および財政的リスクを理由に、市はビットコイン担保債券を発行しないと述べた。
  • エリック・アダムス市長はビットコインカンファレンスにおいて、より広範な暗号資産推進の一環として 「BitBond」を提案していた。
  • ランダー氏は、連邦税法と市の財政規則により、この提案は実行不可能だと述べた。

ニューヨーク市の会計監査官であるブラッド・ランダー(Brad Lander)氏は、エリック・アダムス(Eric Adams)市長による、市債をビットコイン(BTC)で裏付ける計画に対して「法的に疑問があり、財政的に無責任」と述べた。

アダムス市長が、ラスベガスで開催されたビットコインカンファレンスで観衆にいわゆる 「ビットボンド(BitBond)」を提案したわずか数日後、市の債務発行を共同管理するランダー氏はこの提案を却下した。

「暗号資産(仮想通貨)は、当市のインフラ、手頃な価格の住宅、学校の資金を調達するのに十分な安定性がない」とランダー氏はプレスリリースで述べた。さらに、このような動きは投資家の信頼を揺るがし、連邦税法に抵触する可能性があると付け加えた。

この構想は、ニューヨークを世界的な暗号資産ハブとして位置づけようとするアダムス市長の広範な取り組みの一環だ。同市長は就任以来、給与を暗号資産で受け取り、デジタル資産諮問委員会を立ち上げた。

だが、ランダー氏は、債券を通じて調達した資金の一部がビットコインの購入に充てられる可能性があるとして反対した。市の借り入れシステムは米ドルを基準としており、そこから逸脱するには、ビットコインを現金に換えて公共支出に充てるなど、市にはない仕組みが必要になると同氏は主張した。

|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:NYC Comptroller Slams Mayor Eric Adams’ Bitcoin Bond Plan as ‘Fiscally Irresponsible’