
- 世界的な決済企業のストライプは、ステーブルコインの統合について銀行と初期段階の協議を行ったと、共同創業者兼社長のジョン・コリソン氏がブルームバーグのインタビューで語った。
- ステーブルコインは、時価総額が2400億ドル(約34兆5600億円、1ドル144円換算)を超える急成長中の暗号資産クラスであり、従来の銀行レールに代わる国際決済手段としてますます人気が高まっている。
- 「当社の今後の決済取扱高の多くは、ステーブルコインによるものになるだろう」とコリソン氏は述べた。
決済企業のストライプ(Stripe)は、デジタルトークンが国際決済において勢いを増すなかで、ステーブルコインを銀行のコアサービスに統合することについて、銀行と初期段階の協議を行った。同社の共同設立者兼社長であるジョン・コリソン(John Collison)氏が、ブルームバーグ(Bloomberg)のインタビューで語った。
「銀行は、自社の商品にステーブルコインをどのように統合すべきかについて、非常に関心を持っている」とコリソン氏は述べた。「これは、銀行が軽視したり流行として扱ったりするようなものではない」
コリソン氏の発言は、暗号資産(仮想通貨)の最も急成長しているユースケースの1つであるステーブルコインに対する、伝統的な金融機関の関心の高まりを浮き彫りにしている。2400億ドル(約34兆5600億円)規模の資産クラスとなったステーブルコインは、主に米ドルといった政府発行通貨に連動するブロックチェーンベースのトークン。従来の決済チャネルに比べ、より安価で迅速な代替手段を提供し、24時間決済が可能だ。
ペイパル(PayPal)は独自の米ドル連動型ステーブルコイン「PYUSD」をローンチし、フランスの銀行ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)はユーロ連動型トークン「EURCV」を発行。ビザ(Visa)は、銀行によるステーブルコイン発行を支援するトークン化プラットフォームを開発した。
ストライプは、国際決済におけるステーブルコインの役割を拡大させることにも賭けている。
ストライプは今年初め、ステーブルコイン技術のスタートアップであるブリッジ(Bridge)を11億ドル(約1584億円)で買収し、大きな話題を呼んだ。その後、ブリッジは独自のステーブルコイン「USDB」を展開し、ストライプは100カ国以上でステーブルコイン口座を導入した。
「当社の今後の決済取引高の多くは、ステーブルコインによるものになるだろう」とコリソン氏はインタビューで語った。
コリソン氏は、ステーブルコインが解決できる問題点として、高額な為替手数料と数日かかる処理時間を指摘した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Shutterstock
|原文:Stripe Explores Bank Partnerships on Stablecoins as Payments Importance Grows, Says Company President