ビットコイントレーダーは楽観的な姿勢を維持──DOGE、XRP、SOLは底打ちか
  • 主要な暗号資産は継続する地政学的な緊張と貿易懸念の中で底打ちの兆候を示している。
  • ビットコインの価格は10万5000ドル前後で推移しており、ETH、XRP、SOL、ADA、DOGEでも同様の傾向が観察されている。
  • 貿易摩擦とマクロ経済の不確実性が市場動向に影響を与えているが、暗号資産への機関投資家の関心は高まっておる、長期的には楽観的な見方が維持されている。

市場観測筋は、地政学的な緊張と関税への懸念が短期的な見通しを曇らせる中、主要な暗号資産(仮想通貨)が底打ちの兆候を示していると指摘している。

ビットコイン(BTC)は6月2日のアジア取引時間朝に10万5000ドル前後で推移し、過去24時間でわずかに変動したが、過去1週間では5%下落した。

その他の主要な暗号資産は、継続する地政学的な緊張と貿易懸念の中、底打ちの兆候を示している。

イーサリアム(ETH)、エックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、ドージコイン(DOGE)でも同様の傾向が観察されている。これらのトークンはすべて、サポート水準付近でローカルボトムの兆候が見られ、デイトレーダーにとって反発の可能性があることを示している。

「投資家は短期的なマクロ経済イベントに対する不確実性を抱えているため、ビットコインは10万5000ドル付近で推移している」とLVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクター、ニック・ラック(Nick Luck)氏はは述べた。「インフレ、関税、アメリカ経済に関する不確実性が暗号資産の強気なトレンドを鈍化させ、地政学的なリスクも投資家が資産から一部資金を引き揚げる要因となっている」。

「我々は、機関投資家やユーザーが日々参入していることから、暗号資産業界の長期的な見通しについて楽観的な見方を維持している」とラック氏は付け加えた。

貿易摩擦はリスクセンチメントを圧迫し続けている。中国は2日、アメリカがAI(人工知能)チップの輸出とソフトウェア販売に関する新たな差別的な制限を導入したと指摘し、自国の利益を守るための措置を講じると表明した。こうした状況を受けて、トレーダーは緊張感を高めている。

「先週末の出来事は、貿易戦争の緊張がわずかに高まっただけで、暗号資産がどれだけ迅速に反応するかを示した」とBTSEのCOO、ジェフ・メイ(Jeff Mei)氏はテレグラムのメッセージでCoinDeskに述べた。

メイ氏は、トレーダーは中国とアメリカの発表、ロシア・ウクライナ情勢の緊張激化、今週発表される米貿易赤字、失業率、連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言など、複数の重要なアメリカの経済指標に注意を払うべきだと指摘した。

「現在、マクロ経済動向が市場の動きの大部分を牽引しているため予測は困難だが、大手機関投資家が暗号資産の保有を拡大し続けている点はポジティブなサインだ」とメイ氏は付け加えた。

一方、投資家は、ビットコインの価格動向が伝統的なリスク資産とより一致するようになる中、XRPやSOLなどのトークンへの分散投資を進めている。これは長期的な楽観的な見方を後押ししていると指摘する声もある。

ハッシュキー・クラウド(HashKey Cloud)のリサーチマネージャー、キャシー・クー(Kathy Qu)氏は2日、コインデスクに対し、「貿易政策の不確実性が高成長のテクノロジー株に資金を流入させているが、賢明な投資家はさらに暗号資産、特にビットコインやXRPのような伝統的な金融(TradFi)に親和性の高いトークンへの分散投資を進めている。これらのトークンのETF(上場投資信託)への期待が高まるだろう」と述べた。

さらに、ステーキングと分散型金融(DeFi)は市場における明るい材料であり、現実資産(RWA)トークン化が強い勢いを示しているほか、イーサリアムETFはアメリカ証券取引委員会(SEC)のステーキングの規制対象からの除外措置により恩恵を受ける見込みだ。この措置は、DeFiセクターへの機関投資家の参加を促進すると期待されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:DOGE, XRP, SOL Show Price Bottoming as Bitcoin Traders Remain Optimistic