
- イーサリアム財団は研究開発チームを再編し、イーサリアムエコシステムにとって差し迫ったプロトコル設計上の課題にさらに重点を置くことを、2日のブログ投稿で発表した。
- 同財団がその運営をめぐってコミュニティから反発を受け、すでにリーダーシップの交代を行ったあとに、このニュースが報じられた。
- 長らく技術的リーダーとされてきたイーサリアムブロックチェーンが、中核的な設計上の問題に対処できなければ、その優位性を失う可能性があると、同財団の批評者たちは1年以上にわたり繰り返し警鐘を鳴らしてきた。
イーサリアム財団(Ethereum Foundation)は、重要なプロトコル設計上の課題に再び重点を置くことを目的とした広範な再編成の一環として、研究開発チームの一部のメンバーを解雇したと、2日のブログ投稿で発表した。
スイスを拠点とする非営利団体である同財団は、その経営と戦略的方向性をめぐる批判が続くなかで、今回の再編成を行った。イーサリアムコミュニティーの一部からは、重要な技術的障害に対処できなければ、業界のリーダーとしてのイーサリアムの地位が脅かされる可能性があると1年以上前から警告されており、同団体はこうした懸念に対処するため、すでにリーダーシップの交代を行っている。
同財団は、プロトコル研究開発(Protocol Research and Development)部門を「プロトコル(Protocol)」という簡略化された名称に変更。イーサリアムのベースレイヤーのスケーリング、ブロブスペースの拡張(データ可用性戦略の重要部分)、ユーザーエクスペリエンスの向上という3つの主要優先事項を中心に、グループの位置づけを変更する。
「本日発表する変更は、これまでの業務のやり方とは異なるが、より迅速で効果的な道筋を示すものだと考えている」と同財団は投稿で述べた。
同財団は、解雇の影響を受けたスタッフの人数を明らかにしていない。「プロトコル研究開発の一部のメンバーは、イーサリアム財団での職務を継続しない」とブログに記載されている。「我々は、これらのメンバーがイーサリアムエコシステムで働き続けることを望んでおり、チームを構築している他のメンバーが彼らを探し出すことを奨励している」
同財団の広報担当者は、CoinDeskのコメント要請に応じなかった。
再編されたプロトコルチームは、イーサリアムの中核的な開発活動のハブとして機能し、アップグレードのスケジュール、技術文書、研究に関する公開性の向上を目指す。
「この新体制により、社内チームがより明確に焦点を合わせ、重要な取り組みを推進できるようになることを期待している」と同財団の共同エグゼクティブ・ディレクター、シャオウェイ・ワン(Hsiao-Wei Wang)氏はXの投稿で述べた。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Ethereum Foundation Lays Off Some Staff Amid R&D Restructuring