ビットコインは清算発生の後に堅調な上昇──ETHとDOGEが主要コインの上昇を牽引
  • ビットコインは週末の売りが一巡した後、10万5000ドルを上回って安定し、トレーダーたちは潜在的な冷却期間の兆候を注視している。
  • イーサリアムは財団の研究開発チーム再編を受けて4.5%上昇し、主要暗号資産の中で最も上昇率が高かった。
  • 米中間の地政学的な緊張が市場変動を助長しており、トレーダーたちは今後の政策期限に警戒感を強めている。

ビットコイン(BTC)は6月3日に10万5000 ドルを上回り、週末と月曜日の売りで10億ドル(約1400億円、1ドル=140円換算)近くの清算が発生し、トレーダーたちを動揺させた後、堅調な上昇を続けている。

イーサリアム(ETH)は4.5%の上昇率で主要暗号資産(仮想通貨)の中で最大の上昇率を記録した。これは、競争が激しく混雑したネットワーク環境の中で、イーサリアム財団がプロトコルの開発に焦点を当てるために人員の再編を行ったことが、世界第2位のトークンの強気なセンチメントを後押ししたためだ。

ドージコイン(DOGE)は3%上昇し、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、エックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)は最大2.5%上昇した。時価総額上位のトークンを追跡するCoinDesk 20指数(CD20)も2%上昇した。

数週間にわたる上昇の後、ビットコインは最近の値動きから、トレーダーは上昇の勢いが鈍りつつある兆候に注目している。テクニカル指標が上昇の勢いが鈍りつつあることを示唆しているため、一部のトレーダーの間では警戒感が高まっている。

「ビットコインが10万5000ドル付近で推移しているのは、強い上昇の後の自然な調整局面であり、取引高の増加に続いて持続的な関心が見られた後、現在では疲労感が見え始めている」と、ビットゲット・リサーチ(Bitget Research)のチーフアナリスト、ライアン・リー(Ryan Lee)氏は3日にCoinDeskと共有した報告書で述べた。

「BTCは10万3000ドルから10万8000ドルの間で調整する可能性があり、10万ドルが心理的サポート水準となる。この水準が崩れれば、9万7000ドルから9万3000ドル付近のサポート水準が試される可能性がある」とリー氏は述べた。

リー氏はさらに、オンチェーンデータはクジラによる買いが継続していることを示しており、これは通常、調整局面がエントリーポイントとなる可能性があることを示す強気の兆候だと指摘した。

ETHについては、2800ドル近辺での繰り返しの拒否と長い上ヒゲは、躊躇を示していると指摘した。「全体的な強さは維持されているが、ETHが2810を明確に上回らない限り、モメンタムは制限されるだろう」と述べた。

BTCの全体像は、マクロベースで依然として堅調だ。

「年初来では、BTCはマクロベースで株式に対して強いアウトパフォーマーを維持しているが、短期的な兆候として、より困難な時期が迫っている可能性があり、OG(古参の投資家)とネイティブ(業界に精通した投資家)が主流の買いに対してより良い売り手と利益確定者になっている」と、シグナルプラス(SignalPlus)のインサイト担当責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏は3日のメッセージでCoinDeskに述べた。

地政学的なリスクがセンチメントを圧迫し続けているといえるだろう。シンガポールのQCPキャピタル(QCP Capital)は2日の夜に発表したマーケットレポートで、新たな関税に関するニュースや米中貿易摩擦の緊張により、トレーダーはボラティリティの上昇に備えていると指摘し、7月初旬に迫る主要な政策決定の期限が注目されていると述べた。

現時点ではビットコインは「序列1位」の強さを証明していると同社は結論付けた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Strength Wows Traders After Market Tumble; ETH, DOGE Lead Majors Gains