
- XRPレジャー(XRP Ledger)における活動が大幅に減速し、決済取引は昨年10月以来の最低水準まで減少している。
- 戦略的パートナーシップが機関投資家への普及を促進し、記録的なネットワーク活動を呼び込むと予想されている。
- エックス・アール・ピー(XRP)の価格は、最近の急騰によって史上最高値を更新したビットコイン(BTC)に追随できていない。
XRP、法定通貨、その他のデジタル資産の迅速かつコスト効率の良いリアルタイム送金を目的とした分散型パブリックブロックチェーン、XRPレジャーにおける取引活動は、第1四半期以降大幅に減速している。
データソースのXRPScanによると、アカウント間での価値の移転を意味する決済取引の件数は、当記事執筆時点では32万747件まで減少。これは昨年10月以来の最低水準となっており、3月、4月、5月初旬までの平均値である100万件を超える水準からも大幅に減少している。

アクティブアドレスの数も1万を割り込み、10月以来の最低水準となった。一方、手数料としてバーン(焼却)されたXRPの数は、新規アカウントの作成ペースの鈍化と一致して、数カ月ぶりの最低水準である1500XRPまで減少した。アカウント作成者は1XRPを預け入れる必要があるが、アカウントを削除した後、このXRPは返還してもらうことができる。
メッサーリ(Messari)が追跡したデータによると、最近の取引活動の減速の前には、前四半期比で驚異的な36%の増加を記録した目覚ましい第1四半期の実績があった。第1四半期には、アクティブアドレス数も142%の成長を遂げていた。
前向きな見通し
メッサーリの報告書は、戦略的パートナーシップと買収を通じた機関投資家への普及増加を理由に、XRPレジャーの将来の展望について楽観的な見方を示した。
XRPレジャーを使用して決済ソリューションを提供するリップル(Ripple)は4月、Hidden Roadを買収し、グローバルなマルチアセット・プライムブローカーを所有・運営する最初の暗号資産(仮想通貨)企業となった。
リップル社のエンタープライズグレードのステーブルコインRLUSDは6月3日、ドバイ金融サービス当局(DFSA)から承認を受け、ドバイ国際金融センター(DIFC)での利用が可能になった。
シンガポールで6月10日から12日まで開催されるリップル社のイベント「XRP Ledger Apex 2025」で、さらに発表が相次ぐ可能性もある。
XRP、ビットコインに取り残される
時価総額で最大の暗号資産であるビットコインは先日、11万ドルを超える史上最高値を記録し、4月初旬の7万5000ドル付近の安値から40%を超える急騰を見せた。
この驚異的な回復は広範な市場を押し上げ、CoinDeskのデータによると、XRPは1.60ドルから2.60ドルへと62%上昇した。しかし、決済に特化したトークンであるXRPの上昇はその後停滞し、1月にビットコインが当時の史上最高値10万9000ドルを記録した際に達した約3.40ドルの最高値を大幅に下回っている。
このようなパフォーマンスの差は、XRPがビットコインの史上最高値更新の勢いから、1月と同じようには恩恵を受けていないことを示唆している。これはXRPに対する需要の減退を示す兆候であり、注意が必要かもしれない。なぜなら、ビットコインの価格下落がXRPの価格に重くのしかかる可能性があるからだ。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:XRP Ledger Payments Count Falls to Lowest Since October as XRP Fails to Keep With Bitcoin