ビットコイン急騰?ブラックロックBTC現物ETFの月末までの28%上昇に賭けた大胆なオプション取引
  • あるトレーダーが、ブラックロック(BlackRock)のビットコイン現物ETF(IBIT)に大胆な賭けを行った。権利行使価格77ドルのコールオプション3000枚を購入し、6月27日までの価格急騰への期待を見せている。
  • このトレーダーの行動は、重要な市場要因への確固たる賭けか、より大きなエクスポージャーへのヘッジと見られている。
  • IBITのオプション市場は強気に転じ、コールオプションがプットオプションより高価になり、新たな楽観ムードを示唆している。

ブラックロックが手がけるビットコイン現物ETF(上場投資信託)のiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への大胆な賭けが6月3日に行われ、月末までにIBITが急騰することへの期待を示唆している。

データソースのBarchart.comによると、あるトレーダーが3日、6月27日に満期を迎える権利行使価格77ドルのIBITコールオプションを3000枚購入した。このトレーダーは、この強気ポジションに対して総額3万9000ドル(約560万円、1ドル=143円換算)のプレミアムを支払った。

コールオプションは購入者に、決められた期限までにあらかじめ定められた価格で原資産を購入する権利を付与するが、これは義務ではない。コールオプションの購入者は、市場に対して強気の見方している。

権利行使価格77ドルのコールオプションは、満期を迎える前に原資産の価格がその水準を突破するという賭けを表している。つまり、3日に60.40ドルで取引を終えたIBITが、6月27日までに28%を超える上昇を見せると期待されているのだ。

マクロストラテジストのEndGame Macro氏は、この投資を強気なブレイクアウトへの確信度の高い賭けと表現した。

「IBITが60.40ドル付近で取引されており、77ドルの権利行使価格がスポット価格から約28%アウト・オブ・ザ・マネー(スポット価格を上回る)にある状況下で、このトレーダーはETFへの資金流入急増、マクロ経済の転換、または規制当局による承認といった重大な触媒を予想しているか、またははるかに大規模なディレクショナルポジションのヘッジを行っている」 と、EndGame Macro氏は述べた。

「これが計算された大胆な賭けか、より広範なポジション戦略の一部かは不明だが、一つ確かなのは、6月27日までに深刻なボラティリティを予想していることだ」と、EndGame Macro氏は付け加えた。

強気ムードの復活

IBITオプション市場におけるムードは3日、全体として強気へとシフトし、データソースのMarket Chameleonによると、1年物のプット・コール・スキューがマイナスに転じた。

このマイナスへの転換は、非対称的なアップサイドエクスポージャーを提供するコールが、再びプットよりも相対的に高値で取引されていることを示している。

この新たな強気転換に先立ち、先週には一時的に、プットがコールよりも高値で取引され、下落リスクへの懸念を反映していた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Moonshot? Trader Bets on 28% Surge in BlackRock’s Spot BTC ETF by Month-End