
- サークルの株価はIPO価格31ドルから167%上昇し、83ドルで取引を終了。
- 株価は日中最高値104ドルに達し、強い需要を示したが、長期的な安定性には疑問が投げかけられている。
- USDCとテザーのUSDTの取引量はともに緩やかに増加し、ステーブルコインに対する市場の幅広い関心を示唆。
サークル(Circle)の株価は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)での取引初日に急騰し、公募価格31ドルに対して83ドルで取引を終えた。
最初の取引が69ドルで成立したあと、株価は104ドルまで急騰した。
だが、トレーダーやアナリストの焦点は、今後数日、数週間にわたって株価が持ちこたえられるかどうかに移っている。当初、暗号資産(仮想通貨)業界にとって重要な分岐点と称賛されたコインベース(Coinbase)の2021年の新規株式公開(IPO)は、教訓を与えてくれる。同社の株価はナスダックで381ドルで始まり、一時430ドルまで上昇したが、その後1カ月以内に200ドルを下回った。
サークルの上昇は、ステーブルコイン市場の活動の緩やかな増加と並行して起こった。USDコイン(USDC)の取引量は過去24時間で22%増加し、時価総額世界最大のステーブルコインであるテザー(USDT)の取引量は13%増加した。
USDCは、取引や貸付、送金に使用されるドル連動型トークンを提供することで、暗号資産エコシステムにおいて重要な役割を果たしている。5日の好調な動きは、伝統的金融とデジタル金融の融合が進むなかで、ステーブルコインインフラに対する投資家の関心が高まっていることを反映している可能性がある。
それでも、投機的な熱狂はすぐに消え去ってしまうものだ。今後数週間は、サークルが投資家の信頼を維持できるのか、それとも多くの暗号資産関連株を特徴づけてきたボラティリティの犠牲になるのかが試されるだろう。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Shutterstock
|原文:Circle Soars 167% After IPO, Closing at $83 in First Day of Trading