
- 景気後退の懸念とイーロン・マスク氏とトランプ大統領の確執により、ドージコインとカルダノが暗号資産の下落を主導した。
- ビットコインは下落後にわずかに反発したが、他の主要な暗号資産は2%~5%下落した。
- アナリストらは、市場下落の主な要因として政治的緊張とマクロ経済上の懸念を挙げている。
暗号資産(仮想通貨)トレーダーが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領とIT界の巨人イーロン・マスク(Elon Musk)氏の対立激化によって引き起こされた、まちまちのマクロ経済指標と景気後退の懸念を消化したことから、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)が6月6日の下落を主導した。
トレーダーのリスク回避の動きを反映してDOGEは24時間で7%近く下落し、ADAは6.5%下落した。
ビットコイン(BTC)は、5日夜に10万1000ドル近くまで下落した後、アジアの朝方に10万2000ドルを上回った。イーサリアム(ETH)、エックス・アール・ピー(XRP)、バイナンスコイン(BNB)、ソラナ(SOL)は2~5%下落した。
マスク氏とトランプ氏との対立が信頼感を揺るがし、マスク氏はアメリカがテクニカル的に景気後退に陥る可能性が高いと警告した。この懸念は投機的な資産に重くのしかかった。
The Trump tariffs will cause a recession in the second half of this year https://t.co/rbBC11iynE
— Elon Musk (@elonmusk) June 5, 2025
BTSEのCOO、ジェフ・メイ(Jeff Mei)氏はテレグラムのメッセージで「イーロン・マスク氏とトランプ大統領の諍いは、アメリカの経済改革の計画を妨げる分裂を露呈しており、それが一晩で暗号資産全体が下落した理由だ」とCoinDeskに述べた。
「しかし、我々は依然として暗号資産市場の長期的な存続の可能性について前向きであり、昨日の サークル(Circle)のIPOの成功からも、同じ考えを持つ機関投資家がまだ多く存在することは明らかだ」とメイ氏は付け加えた。
一部のアナリストは、政治的な内紛が市場に波及するリスクが高まっていることを指摘している。
LVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクター、ニック・ラック(Nick Luck)氏はCoinDeskに対して、「最近のアメリカのマクロ経済指標の報告が影響を与えたものの、悲観的な見方は主にトランプ大統領とマスク氏の間の緊張の高まりによるものだ」と述べた。
「投資家は、両者の対立が市場に波及することを懸念している。機関投資家が暗号資産エコシステムの中で成長を続けているため、当社は長期的な見通しについて引き続き楽観的だ」とラック氏は付け加えた。
市場は債務上限に関する議論と、トランプ大統領が提案した「One Big Beautiful Act」が財政政策に及ぼす潜在的な影響について明確な答えを待っているため、トレーダーは依然として慎重な姿勢を保っている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:DOGE, ADA Nosedive 7% as Crypto Traders Digest ‘Recession’ Sentiment