サークル株、さらに40%急騰:AppleやXもステーブルコイン参入を検討
  • Apple、Airbnb、およびXは、暗号資産(仮想通貨)企業とステーブルコインの活用に関する初期段階の協議を進めている。
  • このニュースは、前日に行われたステーブルコイン発行会社サークル(Circle)のIPOが熱狂的な反応を呼んだ直後に伝えられた。サークル社の株価は6月6日、さらに40%上昇している。
  • 2024年のステーブルコイン決済額は27兆6000億ドルを超え、ビザ(Visa)とマスターカード(Mastercard)の決済高を凌駕した。

フォーチュン誌に情報を提供した、この件に詳しい関係者によると、Apple、Airbnb、Google、イーロン・マスク(Elon Musk)氏率いるXは、自社決済システムにステーブルコインを統合することについて、暗号資産企業と初期段階の協議を行っている。

これら大手企業は、ステーブルコインを取引コストの削減と国際送金の効率化手段として捉えている。

ステーブルコインは米ドルなどの法定通貨に連動したデジタルトークンであり、暗号資産インフラと伝統的金融システムを橋渡しする役割を果たしている。

世界経済フォーラムの報告書によると、2024年にはステーブルコインで27兆6000億ドル(約4000兆円、1ドル=145円換算)を超える取引が行われ、これはビザとマスターカードの合計を上回る規模である。

ステーブルコインは伝統的金融からの関心が急速に高まっている分野であり、5日にステーブルコイン発行会社サークルが新規株式公開(IPO)を大成功させたことで、その関心はさらに爆発的に高まっている。サークル社の株は既に当初の計画より引き上げられていたIPO価格から2倍以上に急騰し、6日もさらに40%上昇している。

フォーチュン誌によると、Appleは1月から、Apple Payおよびより広範な自社決済インフラにステーブルコインを取り入れることを検討するための協議を暗号資産企業と行っている。一方、Xは、ステーブルコインベースの取引を可能にする可能性についてストライプ(Stripe)と協議を進めている。

Airbnbは、ビザやマスターカードなどのカードネットワークに支払う手数料を削減するために、ステーブルコインの導入を検討している。ある暗号資産企業の幹部はフォーチュン誌に対し、Airbnbは2025年の初めからワールドペイ(Worldpay)と協議を進めていると語っている。

政治的な変化、主にドナルド・トランプ米大統領の再任により、米国の企業界では暗号資産の採用リスクが軽減されている。

一部のアナリストは、ステーブルコイン市場が2028年までに2兆ドルに達すると予測している。その大きな追い風となるのが、ステーブルコイン発行者に対する明確な規制を確立し、米国での主流への普及を促進する「GENIUS」法案の成立が見込まれていることである。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Stablecoin Fever With Circle Soaring Another 40%: Apple, X Among Those Reportedly Wanting In