
セキュリティ・トークン(デジタル証券、以下ST)の発行・管理基盤などを手がけるProgmat(プログマ)と不動産アセットマネジメントを展開するKENEDIXグループのKDX ST パートナーズ(以下KST)は6月10日、STの発行者および関連アプリ提供者向けに、投資家が自身のST情報をまとめて確認・管理できる「ワンストップデータ連携サービス」の提供を開始することを発表した。これにより、投資家はより手軽に自身の資産状況を把握できるようになる。
本サービスは、KSTが提供する「KDX ST アプリ」において利用が開始されるほか、他のST発行者やアプリ提供事業者においても導入が可能となる。ST投資家は、これらの対応アプリ等を通じて、原簿管理人(信託銀行など)や仲介者(証券会社など)を問わず、自身のST情報を横断的に参照できるようになる。

この協業は、2021年8月の国内初の公募型不動産ST発行における連携を起点とし、両社の関係性を強化する中で実現。これまで投資家は保有するSTごとに情報を確認する必要があった。この課題を解決し、業界横断での情報連携の標準化と投資家の利便性向上を目指すため、2025年3月には「STデータ連携円滑化ワーキング・グループ」も設置され、検討が進められてきた。
本サービスでは、STの発行者や関連アプリ提供者が、「Progmat」のシステム基盤上にある投資家ごとのST保有残高などの情報を、APIを通じてリアルタイムに取得できるようになる。
さらに、Progmatが開発を進めるユーティリティトークン(デジタル優待など、STに付帯する権利を表すトークン、以下UT)の管理基盤「Progmat UT」のAPIと連携することで、投資家は自身が保有するSTとそれに付随するUTの情報を、一つのアプリ上でまとめて管理・利用できるようになる。

これにより、ST投資家は複数のサービスを使い分ける手間が省け、より快適な投資体験が可能になると、両社は説明している。
当サービスは本日より利用が開始され、KDXが「Progmat」基盤で組成したST銘柄のうち7件(償還済みを除く)が、KSTの提供する「KDX ST アプリ」で一括管理できるようになる。
|文:栃山直樹
|画像:リリースから