
- イーサリアムは、ビットコインが10万9000ドルを突破したことを受け、過去24時間で約7%上昇し、暗号資産市場を押し上げた。
- ドージコインとカルダノは、最近の変動を受けて市場センチメントが改善し、いずれも5%以上上昇した。
- トレーダーたちは、金利予想に影響を与える可能性のある米中貿易交渉と、近く発表されるインフレデータを注視している。
ビットコイン(BTC)が10万9000ドルを突破して堅調に上昇し、それまで横ばいだった暗号資産(仮想通貨)市場を後押ししたことで、イーサリアム(ETH)は過去24時間で約7%の急騰を記録した。
ドージコイン(DOGE)は6月10日のアジア取引時間の午後に5%以上上昇し、19セント近辺で取引された。一方、カルダノ(ADA)は、先週のボラティリティ上昇の後にリスク選好が回復し、5%以上上昇した。総時価総額は3%以上上昇し、幅広い銘柄を網羅するCoinDesk 20(CD20)は4%上昇した。
この反発は、トレーダーたちが最新の米中貿易交渉の動向を消化し続け、今週発表される重要なインフレデータが金利見通しの方向性を決める可能性に備えたためだ。
「米中貿易協議が再開された一方、アメリカ証券取引委員会(SEC)が新たな暗号資産ETF(上場投資信託)を承認したことで、ビットコインは11万ドル付近まで急騰し、投資家に新たな強気なセンチメントをもたらした」と、シグナルプラス(SignalPlus)のインサイト担当責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏はCoinDeskへのメールで述べた。「暗号資産がイノベーションと競争力のあるリターンで機関投資家と個人投資家を惹きつけ、強気なトレンドが継続することを予想している」。
ハッシュキー・エコ・ラボ(HashKey Eco Labs)のCEOであるケイ・ルー(Kay Lu)氏は、先週のトランプ大統領とマスク氏の対立に対する市場の反応は過剰だった可能性があると指摘した。「ファンダメンタルズが堅調なため、市場は一部で回復している」とルー氏は述べた。「11日の消費者物価指数(CPI)データが価格動向の重要な触媒となる可能性がある」。
一方、BTSEのCOO、ジェフ・メイ(Jeff Mei)氏は、現在のサイクルは単純ではない可能性があると警告した。「投資家が暗号資産に投資する選択肢が増えている。ETF、社債、ステーブルコイン発行者などだ」とメイ氏は述べた。「暗号資産がマクロ資産クラスとして成熟するにつれ、このサイクルはより複雑になるだろう」。
LVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクター、ニック・ラック(Nick Luck)氏は、ビットコインの価格が10万9000ドルを上回ったことは、混在するシグナルにもかかわらず回復力を示していると指摘した。
「地政学的・マクロ経済的な逆風下でのビットコインの上昇は、そのマクロ資産クラスとしての地位を強化している」とラック氏は述べた。「ETFの勢いで、暗号資産は再びメインストリームの投資家の注目を集めるようになった」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:What Next as Ether Zooms 7%, DOGE Leads Majors Gains Amid Bitcoin Euphoria