ビットコイン、2016〜17年の価格上昇の前兆となった「強気クロスオーバー」再び
  • ビットコインの50週および100週移動平均線(MA)は来週、強気クロスオーバーを生み出しそうだ。2016年、同じようなクロスが長期的な強気市場の始まりを示した。
  • 価格は、短期的に7600ドル(約83万円)の重要なトレンドラインの抵抗線まで上がる可能性がある。それを破れば、最近の高値7870ドル(約85万円)が現れるかもしれない。
  • 価格が6847ドル(約74万円)を下回れば、短期的な強気という主張は間違っていることになる。

2016〜17年の強気市場の始まりを示したビットコイン価格の指標が、再び現れようとしている。

ビットコインの50週MAは来週、100週MAを上回る方向に向かっている。ビットスタンプ(Bitstamp)のデータによれば、その結果として現れる強気クロスオーバーは、2016年5月以来初めてのものとなる。

MAクロスオーバーは勢い(モメンタム)を示すもので、トレーダーが市場のトレンドを測ることに役立つ。つまり強気クロスオーバーは、価格上昇が加速しようとしていること、または強気市場がすぐそこまで迫っていることを示唆する。

MA分析は歴史的なデータに基づいており、クロスオーバー、特に長期的なものは、価格の後を追う傾向があることは注目に値する。例えば50週MAは過去1年間のデータに基づいており、100週MAは、過去2年間に見られた価格変動を示している。

簡単に言えば、2018年12月の安値3122ドル(約34万円)から2019年6月の高値1万3880ドル(約151万円)への価格上昇によって、50週MAは上昇軌道を描いている。

迫りくる強気クロスは遅れた指標であり、予測能力には限界があると主張することもできる。

だとしても、このチャート・パターンには注意が必要だ。ビットコインは2016年5月、同じような強気クロスオーバーとともに19カ月にわたる長期的な上昇に突入した事実がある。

週足チャート(2015〜2017年)

50週MAは、2016年5月の最終週に100週MAを超えた。その後ビットコインは430ドル(約4万7000円)付近で強い買いを受け、2017年12月の2万ドル(約217万円)付近の史上最高値まで上昇していった。

クロスオーバーの4週間前に記録した377ドル(約4万1000円)の安値が再び出現することはなかった。

(興味深いことに、2013年12月の高値1160ドル(約13万円)超えからのビットコインの弱気相場は、2015年4月の弱気のクロスオーバーで消え去った)

下図のように、同様の価格変動は2019年前半にも見られた。

週足チャート(2018〜2019年)

ビットコインは2月、弱気クロスが確認されたにも関わらず、3700ドル(約40万円)の高めの安値を記録し、2万ドル近くの史上最高値以降の弱気市場の終焉を示した。

おそらく歴史が繰り返すように見えるなか、迫りくる50週MAと100週MAの強気クロスオーバーはビットコインにとって良い兆しになると信じる理由は存在する。

この先24時間に関して言えば、ビットコインが上昇傾向となる可能性は高い。記事執筆時点では、ビットコインはビットスタンプで7270ドル(約79万円)で取引されており、前日から0.75%下落している。

日足および3日足チャート

前日までの2本の日足のロウソク足に付いた長い下ひげは、より低い価格の拒絶または売り手の疲弊を表している。これにMACDヒストグラムのゼロを超えた強気の転換を合わせると、現在7600ドル(約83万円)の下降トレンドラインが再び試される余地がある。

また、価格は6847ドルを十分に上回ったところを維持しており、先週の3日足チャートで確認された強気なハンマーの反転パターンはまだ有効だ。

そのパターンは、価格が6847ドルを割れば間違っていたことになり、最近の6500ドル(約71万円)付近の安値が再び試される道を開くことになるだろう。

※筆者は記事執筆時点で仮想通貨資産を保有していない。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Bitcoin to See Return of Bull Cross That Marked Onset of 2016-17 Price Rally