中国のグレート・ファイアウォール、イーサリアム情報サイトをブロック

中国のグレート・ファイアウォール(Great Firewall)──国民の海外サイトへのアクセスを規制するために政府が使っている検閲システム──は、イーサリアム・ブロックチェーン・データについての最も人気の情報サイトの1つをブロックした。

イーサスキャンがブロック

12月3日(現地時間)時点、最も長く運営され、最も広く使われているイーサリアム・ブロック・情報サイト「イーサスキャン(etherscan.io)」は中国本土のIPアドレスからアクセスできなくなっていた。現地で行われたテストで判明した。

この変化は最近のもののようだ。中国国内でブロックされているサイトのデータを収集し、モニターしているGreatfire.orgによると、 イーサスキャンは2019年8月18日時点では「いかなる検閲も検出されておらず」、まだアクセス可能だった。

だが、Greatfire.orgのスキャン記録によると、イーサスキャンは少なくとも10月30日から100%ブロックされている。VPNを使わない限り、中国国内からはアクセスできない。

これはブロックチェーン情報サイトがファイアウォールのターゲットとなった初めてのケースのようだ。イーサスキャンはグーグル、フェイスブック、Twitter、Redditのような、すでにブロックされている検索サイトやSNSの中に加わった。

「これは非中央集権的で変更できないブロックチェーン技術と、中国の厳しく管理された、中央集権的な政府との間の摩擦の新たな事例」とブロックチェーン投資企業Sino Global Capitalのマシュー・グラハム(Matthew Graham)CEOは述べた。

「我々は将来、今回のような問題がさらに起こることを予期しなければならない。中国では経済と日常生活にブロックチェーンがさらに統合されている」

理由は不明

イーサスキャンがブロックされた正確な理由はすぐにはわからない。

だが2018年、仮想通貨ユーザーが、#Metooムーブメントと中国での医薬品スキャンダルに関する検閲対象となっている記事をインターネット検閲をくぐり抜けるためにイーサリアム上に暗号化して乗せたと伝えられた。

インターネットのユーザーは、イーサスキャンを使ってこれらのやり取りのハッシュをウィーチャットで共有した。このことは後に、ウィーチャットがイーサスキャンの正確なURL表示をブロックする事態を招いたのだ。だが、それでもその時点では、イーサスキャンのサイトにはまだアクセスできた。

「この機能をメッセージがブロックされたり削除されたり、あるいは個人が特定される心配をせずに、センシティブなメッセージを送るために使っている人もいる」とグラハム氏。

「イーサスキャンのようなブロックチェーン情報サイトを使う人は誰でも、こうしたメッセージを表示することができた。だから、このサイトがインターネット検閲のターゲットとなっても驚きはない」

イーサスキャンの創業者兼CEOのマシュー・タン(Matthew Tan)氏は、同社は「ここ3カ月で」ブロックに気づいたが、正確な日付はわからない。また、なぜブロックされているかわからないため、「理由を推測することはできない」と語った。

代わりのサイト

ブロックは9月のどこかの時点で起こったが、ほとんど気づかれなかった可能性がある。

例えば、分散型金融プロジェクトのメーカーダオ(MakerDAO)は9月16日のウィーチャットでの投稿には「etherscan.io」を使っていたが、9月30日の投稿ではイーサスキャンの新しいサイト「cn.etherscan.com」を使った。新しいサイトはetherscan.ioを同じように見え、現在も中国国内からアクセスできる。

念のために記すと、イーサスキャンのようなブロックチェーン情報サイトは、エンドユーザーが分散型ネットワークのトランザクション情報を簡単に閲覧できるようにするためのオンライン・ポータルに過ぎない。

実際のブロックチェーン・トランザクションはいかなる中央集権型データベースにも保存されることはない。そのため地理的な場所に関わらず、単一の組織によって停止させられることはない。

これまでのところ、他のイーサリアム情報サイトは中国国内からまだアクセス可能だ。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:China’s Internet Firewall Has Blocked Access to Ethereum Block Explorer Etherscan.io