
- オンド・ファイナンス(Ondo Finance)は、一連の米国証券ライセンスの取得を目指し、規制を受けたブローカープラットフォームであるオアシス・プロ(Oasis Pro)の買収に合意したと発表した。
- トークン化企業の間では、伝統的金融商品をブロックチェーンプラットフォームに導入するため、規制を受けた企業を買収する動きが加速している。
- オンドは、ロビンフッド(Robinhood)、クラーケン(Kraken)、ジェミナイ(Gemini)に続き、今後数カ月以内にトークン化された株式の取引を開始する計画である。
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスは、規制を受けたブローカープラットフォームであるオアシス・プロの買収に合意し、今後数カ月以内でのトークン化株式のローンチに向けた基盤を築いていくことを明らかにした。
買収の価格は非公開だが、この買収によりオンドは、米証券取引委員会(SEC)が規制する一連の米国証券ライセンスを取得することになる。具体的には、ブローカーディーラー、代替取引システム(ATS)、およびトランスファーエージェントのライセンスである。
トークン化企業は、ブロックチェーンベースの証券への関心が高まる中、米国市場への参入を目的として規制対象の企業との提携を強化している。
トークン化は、債券、株式、ファンドなどの伝統的金融商品をブロックチェーン上に移行することを目指すもので、より迅速な24時間365日の決済、投資家へのアクセス拡大、プログラム可能な取引を実現する可能性がある。
リップル(Ripple)、BCG、マッキンゼー(McKinsey)、スタンダードチャータード(Standard Chartered)による複数の報告書では、トークン化された資産が今後10年間で数兆ドル規模に拡大する可能性が指摘されている。
イギリスを拠点とするArchaxは今年、米国への進出拡大のために、FINRA(米金融取引業規制機構)規制下のブローカーディーラー、Globacap Private Marketsを買収した。また、Prometheumもブローカーディーラーの買収とトランスファーエージェントサービスの開始を発表した。
「この買収により、弊社のブローカープラットフォームとライセンスをオンドの既存の機関投資家グレードインフラと製品と統合し、規制されたトークン化証券エコシステムの包括的な基盤を構築する」と、買収完了後にオンドに加わる予定のオアシス・プロCEOパット・ラヴェッチア(Pat LaVecchia)氏は述べた。
2019年に設立されたオアシス・プロは、USDコイン(USDC)、ダイ(DAI)などのステーブルコインと法定通貨の両方でデジタル証券の決済を承認された最初の米国企業のひとつである。また、FINRAの暗号資産ワーキンググループを通じて規制政策の形成にも貢献してきた。
すでに14億ドル(約2000億円、1ドル=145円換算)を超えるトークン化資産を管理しているオンドは、今後数カ月以内に自社プラットフォーム「グローバル・マーケット(Global Markets)」を通じて非米国投資家向けにトークン化株式の提供を開始する計画である。
ロビンフッド・ジェミナイ、クラーケン、バイビット(Bybit)などの取引所も、最近同様のサービスを導入している。
この買収取引は、規制当局の承認を待っている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Sfio Cracho/Shutterstock
|原文:Ondo Finance to Buy SEC-Regulated Broker Oasis Pro for U.S. Tokenized Stock Push