フィデリティ、機関投資家向けカストディ事業をヨーロッパに拡大

世界最大の投資信託会社、フィデリティ・インベストメンツはデジタル資産においてヨーロッパの機関投資家にサービスを提供するために新しい組織を立ち上げる。

ヨーロッパに進出

フィデリティ・インベストメンツは12月17日(現地時間)、新しいビジネスはフィデリティ・デジタル・アセット・サービス(Fidelity Digital Asset Services:FDAS)を通じて提供すると発表した。2018年に設立されたFDASはすでにアメリカの機関投資家にカストディ(保管)および取引執行サービスを提供している。

同社はまた、ヘッジファンド、ファミリーオフィス、市場仲介業者などのヨーロッパのデジタル資産投資家にもこれらのサービスを提供する。フィデリティがCoinDeskに提供したプレスリリースで述べた。

同社はヨーロッパのFDASの責任者にクリス・タイラー(Chris Tyrer)氏を任命した。同氏は以前、バークレイズ・インベストメント・バンク(Barclays Investment Bank)のマネージング・ディレクターとして、デジタル資産プロジェクトを率いていた。

タイラー氏はまた、伝統的な金融市場における長いキャリアの後、商品取引のグローバル責任者も務めていた。新しいポジションで同氏はヨーロッパにおけるクライアント向けサービスを率いる。

11月にカストディのための認可を獲得

フィデリティは最近、アメリカにおいて大きな前進を遂げた。FDASは11月、機関投資家にカストディサービスを提供するためにニューヨーク州金融サービス局から信託有限会社としての認可を得た。その際、2019年末までに最初のクライアントにサービスを提供すると述べた。

フィデリティ・デジタル・アセットのトム・ジェソップ(Tom Jessop)社長は、同社は1年前のアメリカでのローンチ以降、機関投資家からの「極めて大きな興味と関心」を実感してきたと述べた。

「我々はまた、伝統的な取引所のデジタル資産エコシステムへの参入はもちろん、市場インフラ企業への継続した企業およびベンチャー投資に勇気づけられている」とジェソップ氏は述べた。

「これらと他の市場指標はイギリスおよびヨーロッパのクライアント見込みに示された関心とともに、市場の大きな潜在力を示し、我々にデジタル資産ビジネスを地理的に拡大する自信を与えてくれた」

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Fidelity Investments
原文:Fidelity to Expand Institutional Crypto Business to Europe