「仮想通貨」投資経験が過去最高、日本で「仮想通貨を知らない」投資家はごくわずか──マネックス調査

日本の個人投資家の仮想通貨(暗号資産)への投資経験の割合が過去最高に──。マネックス証券が定期的に行っている調査で、日本の個人投資家に「仮想通貨投資の経験」を聞いたところ、あると答えた割合が13.1%となり、前回18年12月の11.5%から1.6ポイント増え、2017 年6 月の調査開始以来最高となった。同調査は、日・米・中(香港)で行っており、中国も投資経験者の割合は前回より増えたものの、米国は減っている。

また「仮想通貨を知らなかった」と答えた割合が、中国では3割超もあったのに対して、日本は1.6%。米国も13.8%と1割以上がその存在を知らないことになり、日本でいかに仮想通貨・暗号資産投資が認知されているかを物語る結果となった。

2011年から3ヵ国で定点調査を実施

この調査はマネックス証券が2009 年10 月から、個人投資家を対象に行ない、「MONEX 個人投資家サーベイ」として発表している。2011 年6 月からは、マネックス証券、米国のトレードステーションセキュリティーズ(TradeStation Securities)、中国・香港のマネックス ブーム セキュリティーズ(Monex Boom Securities)の3 社共同で、「MONEX グローバル個人投資家サーベイ」として実施。今回は第27回で、2019 年11 月26 日から12 月6 日まで行った。

「仮想通貨を知らない」投資家がほとんどいない国・日本

マネックス証券リリースより

暗号資産については最新の19年12月を含めて5回調査しており、日本の個人投資家が「既に仮想通貨に投資している」割合は、2017年6月の3%から毎回上昇。今回は13.1%となった。ただ「仮想通貨に興味がない」層は毎回60%前後で、ほとんど変わっていない。

米国は「既に投資している」割合が17年6月には3.3%だったが、18年6月には16.7%まで増えた。しかしその後、18年12月、19年12月(それぞれ15.7%、10.3%)と連続して減少している。

中国(香港)は初回調査の17年6月時点で、10.3%が「既に投資している」と回答、最新の19年12月調査では14.5%にまで増えた。

一方で、「仮想通貨を知らなかった」と回答した割合が日米と比べて高く、19年12月調査で34.1%もいることが分かっている。

この「仮想通貨を知らなかった」と答えた割合は、米国でも13.8%いたが、日本ではわずか1.6%しかいない。そもそも17年6月の初回調査時点でさえ2.4%しかいなかったほど、日本ではそれだけ仮想通貨・暗号資産が認知されているということだ。

株価の上昇が期待できる地域は「米国

調査ではこのほか、各地域の個人投資家に今後3 ヵ月程度の世界の株式市場に対する見通しや、今後3 ヵ月で株価の上昇が最も期待できる地域を聞いている。

世界の株式市場に対する見通しについては、日米の投資家は前回18 年12 月調査からDI が上昇したものの、中国(香港)の個人投資家は悪化。マネックス証券は「米中の貿易交渉が進展し足元の株価が堅調なことが日米の投資家の見通しを改善させたとみられます」と分析している。また株価の上昇が最も期待できる地域については、3 地域の個人投資家とも「米国」と回答した割合が最も高かった。

文・編集:濱田 優
写真:CHIVI SEYFETTIN / Shutterstock.com