- スタンダードチャータードのジェフリー・ケンドリック氏は、3週間前に13万5000ドルへの急騰が差し迫っていると予想していた。しかし、10月10日の暴落とその後の低調な反発に衝撃を受け、ビットコインが10万ドルを下回る「避けられない」下落を予想している。
- 主要な指標としては、金からビットコインへの資金流入と、流動性引き締め策などが挙げられる。
- ケンドリック氏は、その下落は10万ドル未満でビットコインを購入できる最後の機会になる可能性があると指摘した。
10月10日の暗号資産(仮想通貨)暴落と、それ以降に大幅な反発が起きていないことは、強気派のセンチメントを揺るがし続けている。
スタンダードチャータード(Standard Chartered)のデジタル資産リサーチ責任者であるジェフリー・ケンドリック(Geoffrey Kendrick)氏は、ビットコイン(BTC)の13万5000ドル(約2025万円、1ドル150円換算)への上昇が差し迫っているようだと発言してから3週間足らずで、10万ドルを下回る下落は「避けられない」ようだと述べた。
ケンドリック氏は22日の顧客向けメモで、10月6日に付けた直近の高値12万6000ドルは自身の短期目標と一致していたものの、その水準を維持できなかったと述べた。より広範なマクロ経済不安、特に米中貿易摩擦をめぐる不安が市場全体の売りを誘発したためだという。
ケンドリック氏は、「それ以来、10月10日の米中の貿易戦争への不安に駆り立てられた売りによって、さらなる上昇は阻止された」とし、「今の問題は、ビットコインが支えを見つけるまでにどれだけ下落する必要があるかだ」と述べた。
10万ドルを下回る下落は短期間で終わる見通しであり、10万未満でビットコインを購入できる最後のチャンスになる可能性が高いことは良いニュースだとケンドリック氏は述べた。
ケンドリック氏は、三つの重要なシグナルが転換点となる可能性があると述べた。
一つ目は、金とビットコインの間の資金の流れだ。今週の金の急落はビットコインの日中の反発と同じタイミングで起きており、金から暗号資産への資金移動を示唆している可能性があると同氏は指摘。「このような証拠がさらに増えれば、ビットコインの安値形成にとって建設的な材料となるだろう」と述べた。
二つ目としては、ケンドリック氏は米連邦準備制度理事会(FRB)が量的引き締めを終了する可能性があることを示す兆候を注視している。同氏は、着実に引き締めを進めている複数の流動性対策を指摘した。FRBの対応は、ビットコインが再び上昇するためのマクロ的な背景をもたらす可能性がある。
最後に、ケンドリック氏は自身をテクニカルアナリストとは考えていないが、ビットコインは2万5000ドル前後で取引されていた2023年初頭以来、50週移動平均線を上回る価格を維持し続けていることを強調した。
10月3日付の以前のメモで、ケンドリック氏はビットコインが史上最高値を更新すると予測し、年末の目標価格を20万ドル(約3000万円)に設定した。当時、同氏は強気の勢いの理由として、米政府の閉鎖リスク、ビットコインと国債プレミアムの相関関係、そしてETF(上場投資信託)への流入の変化を挙げていた。
ビットコインの上昇は停滞しているものの、ケンドリック氏はより長期のスパンで見た上昇トレンドに依然として自信を持っており、10万ドル(約1500万円)を下回る下落をトレンド反転の兆候ではなく潜在的なエントリーポイントとして捉えるよう投資家に勧めている。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Bitcoin’s ‘Inevitable’ Dip Below $100K Could Be Last Chance to Buy at That Level: Standard Chartered


