- ブルームバーグは、一部の大口保有者が現物拠出を使用して、ビットコインを売却することなく現物ETF(上場投資信託)に移動させていると報じた。
- ブラックロック(BlackRock)は30億ドル以上の転換を処理したと述べており、ビットワイズ(Bitwise)とギャラクシー(Galaxy)も顧客の関心が高まっていると報告している。
- この変化は、米証券取引委員会(SEC)が7月29日に、暗号資産ETP(上場取引型金融商品)の現物での設定・償還を許可し、ビットコインとイーサリアムの製品をコモディティETPと同じ扱いにしたことに続いている。
一部の大口のビットコイン保有者は、現物拠出を通じてビットコインを現物ETFに移動させ、プラットフォーム外のビットコインを、担保として借用したり遺産計画に組み込んだりできる証券口座の資産に転換していると、ブルームバーグが10月21日に報じた。
この仕組みは、夏の政策転換に基づいている。
米証券取引委員会(SEC)は7月29日、暗号資産ETPの現物での設定と償還を許可する決定を発表しており、この方針の対象には、ビットコイン現物ETFも含まれる。
SECは、この変更を以前の現金ベースのみのビットコインとイーサリアム現物ETFの承認からの脱却であり、コモディティETPの長年の慣行と整合させるものであると説明した。
SECは、認定参加者はETPの受益権を設定または償還する際に、現金の代わりに原資産を受け渡したり、受け取ることができると述べたのだ。
SECのポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長は、この変化が製品を「より安価でより効率的にする」と述べ、取引・市場担当ディレクターのジェイミー・セルウェイ(Jamie Selway)氏はこれを、発行企業と投資家に柔軟性を与える「重要な発展」と評した。
そのような背景の下で、ブルームバーグは一部の大口保有者(クジラ)がビットコインをETFに拠出し、売却せずにETFの受益権を受け取っていると報じた。売却が記録されないために、一般的に税制上中立な仕組みだと、ブルームバーグは指摘した。
エクスポージャーは変わらないが、証券口座に計上されるため担保として差し入れることや相続計画に組み込むことが可能になると、ブルームバーグは説明している。
ブルームバーグが報じたところによると、すでにこのような動きが確認されている。
ブラックロックは30億ドル(約4600億円、1ドル=152円換算)以上のそのような転換を処理したと、同社デジタル資産責任者ロビー・ミッチニック(Robbie Mitchnick)氏は述べた。
ビットワイズはブルームバーグに対し、保有資産を資産管理プラットフォームに反映させたい顧客から毎日のように問い合わせがあると語った。
ブルームバーグはマイケル・ハーヴェイ(Michael Harvey)氏の話として、ギャラクシーが数件の取引を処理したと付け加えた。
ミッチニック氏はブルームバーグに、保有資産の一部のみを移行している顧客もいれば、「一部」の顧客は「今後保有する最も簡単な方法」であるとして、完全に移行していると語った。
ビットワイズの社長テディ・フサロ(Teddy Fusaro)氏は、プライベートバンクによる顧客サービスを含め、「伝統的な金融システム内に属することには利点」があると述べた。
ブルームバーグは、現在のところは非銀行のブローカーディーラーのみがすべてのプロセスを完了できるにもかかわらず、銀行はすでにこれらの取引(特に設定に関して)を促進する上で限定的な役割を果たしていると付け加えた。
ブラックロック、ビットワイズ、ギャラクシーのいずれも、CoinDeskからのコメントの求めに即座には応じていない。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Pexels/Pixabay(CoinDeskが加工)
|原文:Why Some Bitcoin Whales Are Converting Their BTC Into Spot ETF Shares: Bloomberg


