- ハイパーリキッドのHYPEトークンは、ライターで一時的に98ドルまで急騰しましたが、これはクジラの活動ではなく、ボットのエラーが原因だった。
- ライターはユーザー体験を向上させるため、フロントエンドから歪んだ価格データを削除したが、オンチェーンデータは引き続きアクセス可能だ。
- このインシデントは、市場の異常な状況下で分散型取引所が透明性とユーザー体験のバランスを取る上での課題を浮き彫りにしている。
ハイパーリキッド(Hyperliquid)のHYPEトークンが、競合する分散型取引所(DEX)のライター(Lighter)で一時98ドルまで急騰した。これは世界的な価格と比べて大幅なプレミアムでの取引だった。
この急騰は暗号資産(仮想通貨)コミュニティの注目を集め、誰がこれほどの買い注文を出しているのかという疑問を呼び起こした。しかし、この急騰は結局のところ、大口投資家の動きではなく、ボットのエラーが原因だった。
ライターはこの異常な価格急騰を、ボットによる取引の不具合に起因すると説明した。ライターはX上で、ボットがHYPEのオーダーブックを通じて積極的に買い付けを行い、比較的低い出来高の中で価格を押し上げたと説明した。また、急騰にもかかわらず、ユーザーの清算や重大な混乱は発生しなかったと付け加えた。
この極端な価格変動はプラットフォームのローソク足チャートを歪ませたため、ライターはより明確な取引体験を提供するため、影響を受けたデータをメインフロントエンドから削除した。このため、価格チャート上では急騰はもはや確認できない。
ただし、オンチェーン取引データはすべてブロックチェーンエクスプローラー上で透明性を保っており、閲覧が可能だ。
ライターは、オンチェーンデータは不変である一方、トレーダーに最適な形でインターフェース上に表示する方法を自社で制御していると強調した。ライターのプロトコル上に構築された他のフロントエンドは、生のデータを異なる方法で表示する選択肢がある。この事例は、異常な市場イベント時に分散型取引所がデータ提示・ユーザー体験・透明性のバランスを取る難しさを浮き彫りにしている。
ライターのアプローチに賛同しない者もいる。暗号資産アナリストのデュオ・ナイン(Duo Nine)氏はデータ削除を批判し、根本的な流動性問題を隠蔽するだけで解決していないと指摘した。
「流動性不足を隠すためにデータを検閲するのではなく、単にオーダーブックが流動性不足だと認めるべきだ。これは実質的にユーザーを欺く行為だ。次にユーザーが清算に直面した時、どうなるだろうか」とナイン氏は述べた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:How a Bot Glitch Sent Hyperliquid’s HYPE Token Soaring to $98


