- ビットコイントレジャリー企業のストラテジーの株価は、7月以降40%暴落したが、今後の複数のカタリストによって反発する可能性があると、10xリサーチのマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は述べた。
- 同社がビットコインの時価評価益から第3四半期に36億ドル(約5510億円、1ドル153円換算)の利益を報告すると同氏は予想しており、S&P500指数への組み入れに関する憶測が再び高まっている。
- 同指数への組み入れにより、同社株に280億ドル(約4兆2840億円)の買い圧力を生み出す可能性があると、同氏は述べた。
世界最大のビットコイン(BTC)保有企業であり、ビットコインへのレバレッジをかけた賭けとして長らく見なされてきたストラテジー(Strategy)は、熱狂が冷め、ここ数カ月で純資産価値(mNAV)に対するプレミアムが崩壊したことで、時価総額が約180億ドル(約2兆7540億円)減少した。
10xリサーチ(10x Research0x Research)のマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏による最新レポートによれば、一連の重要なカタリストによって、早ければ今週中にも弱気トレンドが反転し、株価が反発する可能性がある。同氏は以前、ストラテジーに対して弱気な見方を示していた。
「本日の株価では、NAVプレミアムがほぼ解消され、ボラティリティが上昇傾向にあり、好調な第3四半期決算やS&P500指数への組み入れ観測の再燃といった潜在的なカタリストが存在するため、ストラテジーは現在の水準では魅力的であると考えている」とティーレン氏は記し、同社株はビットコイン自体よりも優れた価値を提供する可能性があると指摘した。
株価が280ドルを下回る水準まで下落したことで(29日にさらに1.8%下落)、時価総額は同社のバランスシート上のビットコイン価値をわずかに上回る程度にとどまっている。ティーレン氏によると、これは2024年末に見られた、投機的プレミアムによって株価がファンダメンタルズを大きく上回る水準まで押し上げられた状況からの急激な転換を示している。
7月以降株価が40%下落したことで市場心理は「冷え込み」、個人投資家の関心も低い状態だが、30日の決算報告が転換点となる可能性があると、ティーレン氏は述べた。
ティーレン氏は、同社が保有するビットコインの時価評価益から約36億ドル(約5510億円)の利益を計上すると予想。この利益が、12月に予定されているS&P500指数への組み入れ決定に関する憶測を再燃させる可能性があり、同氏は現在、組み入れの可能性を60~70%と見積もっている。
世界で最も重要な株価指数の一つに組み入れられることで、ストラテジー株には最大280億ドル(約4兆2840億円)のパッシブファンドおよびアクティブファンドの資金流入がもたらされる可能性があり、コインベース(Coinbase)やロビンフッド(Robinhood)がS&P500指数に組み込まれた後に見られたのと同様の上昇につながる可能性がある。
「キャピチュレーション(投げ売り)は常に終わりのように感じられるが、実際には静かに始まりを告げているのだ」とティーレン氏は語った。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:ストラテジーのエグゼクティブ・チェアマン、マイケル・セイラー氏(Gage Skidmore/CC BY-SA 2.0, modified by CoinDesk)
|原文:Michael Saylor’s Strategy Drops $18B in Value, but a Rebound May Be Near: 10X Research


