- マスターカード(Mastercard)は、ブロックチェーンスタートアップのゼロ・ハッシュ(Zero Hash)を最大20億ドルで買収するための最終段階の交渉に入っていると、フォーチュン誌が報じた。
- ステーブルコインは、世界の決済フローにおける重要な焦点となりつつあり、決済高は2030年までに1兆ドルに達する可能性があるとの予測もある。
- ゼロ・ハッシュはステーブルコインの決済インフラを提供することを専門とし、9月にインタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers)とモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)の主導で1億400万ドルの資金を調達した。
マスターカードは、ステーブルコインの決済を巡る競争が激化する中、ブロックチェーンインフラのスタートアップ、ゼロ・ハッシュの買収を検討していると報じられている。
マスターカードは最終段階の交渉に入っており、ゼロ・ハッシュに15億ドル〜20億ドル(約2300億円〜3000億円、1ドル=153円換算)を支払う可能性があると、事情に詳しい情報筋の話を引用して、フォーチュン誌が10月29日に報じた。
マスターカードは、暗号資産決済会社BVNKの買収協議でコインベース(Coinbase)に敗れる可能性があるとも、フォーチュン誌は付け加えた。
このニュースは、米ドルなどの法定通貨をはじめとする他の資産に連動した暗号資産であるステーブルコインが、グローバルな決済フローの次のフロンティアとして台頭している中でもたらされた。
ステーブルコインは、ブロックチェーン上で決済することで銀行を迂回し、伝統的手段に対して、より安価で速い代替手段を提供することを目指している。
KeyrockとBitsoが今夏に発表したレポートは、機関投資家による採用、FXの決済、国境を超えたフローが成長を牽引し、ステーブルコインの決済高は2030年までに1兆ドルに達する可能性があると予測した。
ビザ(Visa)は、銀行がステーブルコインを発行および処理することを支援する独自のトークン化プラットフォームを立ち上げる計画を発表している。
ストライプ(Stripe)は、ステーブルコインインフラの提供企業ブリッジ(Bridge)を11億ドルで買収し、ウォレットを提供するプリビー(Privy)も買収。パラダイム(Paradigm)と共に、独自のブロックチェーンレールを開発している。
ステーブルコインの決済インフラを提供することを専門としているゼロ・ハッシュは、オンチェーン資産への機関投資家からの需要の高まりの中で、今年の最初の4カ月間で20億ドルのトークン化された資金のフローを処理したと、同社は4月にCoindeskに語った。
ゼロ・ハッシュは9月、インタラクティブ・ブローカーズとモルガン・スタンレーが主導する資金調達で1億400万ドルを調達した。ゼロ・ハッシュは、コメントの求めにすぐには回答していない。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ゼロ・ハッシュ創業者兼CEOエドワード・ウッドフォード(Edward Woodford)氏(CoinDesk)
|原文:Mastercard Eyes Zero Hash Acquisition for Nearly $2B Bet on Stablecoins: Report


