アナリストらはコインベースの第3四半期好調を予想──だが、将来見通しでは意見割れる
  • コインベースの第3四半期決算発表は30日に予定されており、ブロックチェーン報酬やBaseトークンの可能性に対する強気な見方を試すことになる。
  • アナリストの間では収益性の見通しについて意見が分かれており、JPモルガンはBaseトークンとサブスクリプションモデルの成長余地に強気。
  • USDCが収益拡大の原動力である点では意見が一致しているが、コインベースがステーブルコインの利回りから実際にどれだけの収益を確保できるかについては意見が分かれている。

コインベース(Coinbase)は、30日の市場終了後に第3四半期決算を発表する予定で、ウォール街では収益予想を上回るとの見方が大勢を占めている。

FactSet によると、アナリストらは、この暗号資産(仮想通貨)取引所の1株あたり利益(EPS)が、前年同期の0.28ドルの4倍にあたる1.14ドル、収益が前年同期の12億ドル(約1836億円、1ドル153円換算)から増加して18億ドル(約2754億円)になると予想している。

だが、この楽観的な見方は決して一様ではない。JPモルガン(JP Morgan)、バークレイズ(Barclays)、コンパス・ポイント(Compass Point)のアナリストらは、ブロックチェーン報酬、USDコイン(USDC)の利回り、取引活動の強さについては意見が一致しているが、収益性や、コインベースがレイヤー2ブロックチェーン「ベース(Base)」から将来どれだけの価値を引き出せるかについては、意見が大きく分かれている。

JPモルガン:Baseトークンに強気

JPモルガンのケネス・ワーシントン(Kenneth Worthington)氏は、このグループの中で最も強気な見方を示しており、コインベースの投資判断を「オーバーウェイト」に引き上げ、2026年12月時点の目標株価を404ドルに設定。同氏の分析は、コインベースが模索しているBaseトークンに大きく依拠している。同氏は、このトークンがローンチされれば、時価総額は120億ドル(約1兆8360億円)から340億ドル(約5兆2020億円)に達する可能性があり、コインベースがそのうち最大40%を保有することで、株主価値が1株あたり14ドルから42ドル向上する可能性があると見ている。

ワーシントン氏また、コインベースがサブスクリプション製品「コインベース・ワン(Coinbase One)」を通じてUSDC顧客をセグメント化しようとしている取り組みにも成長余地を見出している。ステーブルコインの利回り報酬を有料会員のみに限定することで、顧客の行動次第では、1株あたり利益が年間最大1ドル増加する可能性があると同氏は推定している。

バークレイズ:収益見通しには強気だが、より慎重な姿勢

バークレイズのベンジャミン・バディッシュ(Benjamin Budish)氏は、同社を「中立」と評価しており、収益の見通しについてはポジティブな見方を示しているが、より慎重なアプローチを取っている。同氏は、個人投資家による取引と予想を上回るUSDC関連の利息収入に牽引され、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)がコンセンサス予想を6%上回ると見ている。

バディッシュ氏は、第3四半期の総取引収益を10億5000万ドル(約1606億5000万円)と推定しており、これは市場予想を上回る水準だ。また、サブスクリプションおよびサービス収益は7億7100万ドル(約1179億6000万円)と予測し、経営陣のガイダンスを上回っている。だが、市場全体での株価収益率(PER)の圧縮を理由に、目標株価を365ドルから361ドルに引き下げた。

コンパス・ポイント:利益率低下を懸念

コンパスポイントのエド・エンゲル(Ed Engel)氏は、より懐疑的だ。同氏は第3四半期の業績が予想をやや上回る可能性が高いと認めつつも、「売り」評価を維持。懸念の焦点は、コインベースが利益率の低いサブスクリプション収益へとシフトしている点にある。同氏は、USDCやユーザーへのステーキング報酬の支払いが収益性を圧迫しており、投資家がその影響を過小評価している可能性があると指摘。また、同氏は四半期後半の個人投資家取引の減速を警告し、デリバティブ取引プラットフォームのデリビット(Deribit)の買収は戦略的に興味深いものの、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のような規制された米国取引所との競争激化に直面すると見ている。

特筆すべきは、エンゲル氏はJPモルガンが強調するBaseトークンの可能性について言及していない点であり、この長期戦略に対する同氏の確信や見通しが低いことを示唆している。

USDCは重要な収益源

共通認識の一つは、USDCがますます重要な収益源になっているという点だ。3社全てが、コインベースがサークル(Circle)との提携や、増加するステーブルコイン残高へのエクスポージャーからいかに恩恵を受けているかを強調している。だが、コインベースが報酬構造を調整し、ユーザーを有料プランに誘導しようとする中で、どれだけの収益を確保できるかについては、アナリストらの意見が再び分かれている。

コインベースがサブスクリプションサービス、オンチェーンインフラ、デリバティブ分野への進出を加速する中、30日の決算報告は、直近の業績だけでなく、同社の将来像に関するどの見方がより正確であるかを確かめる試金石となるだろう。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:
|原文:Analysts Expect Strong Q3 for Coinbase But Disagree Sharply on Its Future

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