- ビットコインはディーラーがネット・ネガティブ・ガンマのエクスポージャーを抱える水準付近で取引されている。
- これは、10月31日のオプション満期を前に、価格変動性が高まる可能性を示唆している。
米中貿易関係の楽観論が再燃し、ビットコイン(BTC)は11万ドルを突破した。この反発により、BTCは現在、10月31日に迫った数十億ドル規模のオプションの満期を前に、マーケットメイカーが価格変動を増幅させる可能性のある水準で取引されている。
アンバーデータ(Amberdata)とデリビット・メトリクス(Deribit Metrics)が追跡するデリビット(Deribit)の上場オプションデータによると、130億ドル(約1兆9500億円、1ドル=150円換算)相当のビットコインオプションが31日に満期を迎える。特に注目すべきは、ディーラーやマーケットメイカーが10万ドルと11万1000ドルの行使価格でマイナスのガンマエクスポージャーを保有している点だ。これは彼らがこれらの価格帯で「買っているオプションよりも売っている(発行している)オプションの方が多い」ことを意味する。
こうした状況では、マーケットメイカーはネットデルタ(市場)中立のエクスポージャーを維持するため、市場で取引してポジションをヘッジする。つまり価格が上がれば買い、下がれば売るのだ。
彼らのヘッジ活動は通常、満期が近づくにつれて活発化する。これは満期までの時間が短くなるほどガンマ感応度が上昇するためであり、特に11万ドルや11万1000ドルといったアット・ザ・マネー(ATM)またはニア・ザ・マネーのオプションで顕著だ。

上のチャートは、ディーラーのガンマが10万5000ドルから11万1000ドルの間で主にマイナスの値を示しており、これらの水準周辺で取引活動が活発化する可能性を示唆している。
この範囲を超えると、ガンマエクスポージャーは11万4000ドルで正に転じる。
ビットコインの次なる大きな動きは、ファンダメンタルズよりも、オプションディーラーの機械的なヘッジフローに起因する可能性が高い。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:This Bitcoin Market Dynamic Commands Attention as Prices Surge Past $110K Ahead of $13B Options Expiry


