- コインベース（Coinbase）は、取引活動と資産価格が回復したため、第3四半期の収益が前年同期比58%増の19億ドルとなったと報告した。
- 取引収益は前年から倍増して10億ドルに達し、調整済みEBITDAは8億100万ドルに達した。
- 同社は、利用の増加とイーサリアム価格上昇に牽引され、同社のレイヤー2ブロックチェーン「ベース（Base）」が現在は利益を生み出していると述べた。
米国を拠点とする暗号資産（仮想通貨）取引所コインベースは、取引活動の急増、資産価格の反発、およびサブスクリプションとサービス事業の継続的な成長に牽引され、予想を上回る第3四半期決算を報告した。
コインベースは総収益が19億ドル（約2900億円、1ドル＝154円換算）であったと報告したが、これは前年同期の12億ドルから58%の急増であり、FactSetのアナリストが予想していた18億ドルを上回った。
コインベースの株価は時間外取引で1.5%上昇したが、コインベースは、暗号資産市場に内在するボラティリティを理由に、現在の結果をもとに将来の予測を立てないよう、投資家に警告した。
コインベースは、10月の取引収益が約3億8500万ドルに達し、第4四半期のサブスクリプションの収益が7億1000万ドル〜7億9000万ドルになると予想していると述べた。
取引収益は依然としてコインベースの事業で最大の割合を占めており、前年の5億7300万ドルから10億ドルに増加した。
同社によると、取引高は2950億ドルに達し、特に個人ユーザーを中心に暗号資産市場への関心が再燃したことが追い風となった。個人ユーザーの取引高は、前四半期比で37%増加した。
調整済みEBITDA（利払い前、税引き前、減価償却前利益）は8億100万ドルとなり、2024年第3四半期の4億4900万ドルから増加したが、これは一段と収益性の高い事業構成と、前四半期比9%減となった営業費用の厳格な管理を反映している。純利益は4億3300万ドルであった。
コインベースは、個人向けと機関投資家向けの両方の取引部門での成長を強調した。機関投資家による取引収益は倍増して1億3500万ドルとなったが、その一因は、8月に完了した暗号資産オプションプラットフォーム、デリビット（Deribit）の買収によるもので、デリビットは5200万ドルの収益に貢献した。
一方、個人投資家による取引収益は第2四半期比30%増の8億4400万ドルに達したが、これはロングテール資産の取引高増加と、高度なトレーダー層の拡大が牽引したものである。
コインベースは株主への書簡で、「第3四半期はコインベースにとって力強い四半期であった。堅調な財務実績を達成し、革新的な製品の提供に注力し続け、『すべての取引所』の基盤を構築し続けた」と述べた。
取引に加えて、サブスクリプションとサービスの収益は前四半期比で14%増加して7億4700万ドルとなった。
同社によると、ステーブルコイン関連の収益は3億5500万ドルを占め、コインベースで保有されるUSDコイン（USDC）の平均残高は過去最高の150億ドル超を記録した。ブロックチェーン報酬の収益もまた、イーサリアム（ETH）とソラナ（SOL）の価格が高騰したため、28%増の1億8500万ドルと伸びを見せた。
特筆すべきは、コインベースのレイヤー2ネットワーク「ベース（Base）」が黒字化した点だ。ベースからの収益は、取引の増加とイーサリアム価格の上昇により第3四半期に増加したが、取引ごとの手数料の低下が利益の一部を相殺した。
それでもコインベースは、スピードと低コストによって、ベースはオンチェーンで開発を行う開発者や企業に「選ばれる信頼のネットワーク」になっていると述べた。
コインベースはまた、30億ドルの転換社債発行と営業活動による現金増加に支えられ、119億ドルの米ドル資金を保有して第3四半期を終えた。
｜翻訳・編集：山口晶子
｜画像：Camilo Concha / Shutterstock.com
｜原文：Coinbase Tops Expectations as Transaction Revenue Hits $1B
