- 主要なイーサリアム購入企業の需要低迷と資金不足を理由に、ビットコインの強気ポジションをヘッジするためにイーサリアムのショートポジションを取ることを、ある調査会社は提案。
- 市場の動向は、イーサリアムよりもビットコインへの選好が高まっていることを示唆しており、イーサリアムのプットオプションに対する需要が増加している。
ある調査会社は、顧客に対し、ビットコイン(BTC)の強気ポジションをヘッジするために、イーサリアム(ETH)のショートポジションを取るよう助言した。これは、年末のイーサリアムの上昇に対する概して楽観的な予測とは異なるものだ。
「当社のアルトコインモデルは、引き続きビットコインのロングポジションに対してイーサリアムのショートポジションを推奨している」と10xリサーチ(10x Research)の創業者、マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は31日の顧客向けのメモで述べた。
イーサリアムのショートポジションを取ることは、主としてイーサリアム・デジタル資産トレジャリー(DAT)の見通しが比較的弱いように見えるため、良いヘッジとなる可能性がある。
ティーレン氏は、今年の主要なイーサリアム購入企業であるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(Bitmine Immersion Technologies)による新株発行は、個人投資家の需要が大幅に減少したため、9月以降ペースが鈍化していると説明。追加資金調達の選択肢が限られており、ビットマインのイーサリアム追加購入余力は現在制限されている。
その結果、「ビットマインが限界に達すれば、イーサリアムの上昇余地も、少なくとも今のところはなくなるだろう」とティーレン氏は述べた。
ティーレン氏は、デリビットに上場しているオプションにおける反イーサリアムのバイアスは、投資家がイーサリアムを敬遠しているもう一つの兆候だと指摘。同氏によると、トレーダーはイーサリアムのプットオプションの購入を増加させており、下落懸念の高まりを示唆している。対照的に、ビットコインのオプション建玉は、主にコールオプションを通じた上昇エクスポージャーに対する需要に牽引され、過去最高の500億ドル(7兆7000億円、1ドル154円換算)超に急増している。
最後に、グーグル(Google)検索のデータはイーサリアムの新規購入者層が縮小していることを示しており、価格下落に対して脆弱になっていると同氏は主張した。
これらの要因を総合すると、ビットコインが10万ドル超で数カ月続いた横ばい取引パターンを脱却した場合、イーサリアムはより大きな打撃を受ける可能性があることを示唆している。
「このような状況下では、ビットコインのロングポジションに対するイーサリアムのショートポジションというシンプルな戦略が依然として魅力的であり、ビットコインが最終的に三角保ち合いを下抜けたとしても、引き続きリスクヘッジとして機能するだろう」とティーレン氏は指摘した。
本記事執筆時点で、イーサリアムは3815ドルで取引されており、24時間で3%超下落。米CoinDeskのデータによると、ビットコインは10万8820ドルで取引されており、約2%下落した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Protect Bitcoin Exposure with Ether Shorts: Research Firm


