- JPモルガンは、トークン化された投資家データを用いてプライベートファンドの資金移動をリアルタイム決済するブロックチェーンツール「Kinexys Fund Flow」を発表した。
- JPモルガンのアセット・マネジメント、プライベートバンク、キネクシスは、ファンド管理会社のCitcoと共同で初のライブ取引を実施した。
- 今回のローンチは、JPモルガンが長年取り組んできたブロックチェーンの金融市場への実運用拡大を意味する。
JPモルガン(JPMorgan)は10月30日、トークン化の推進に向け、オルタナティブ投資ファンドの流通と運用サービスを効率化するブロックチェーンベースの新ツールを発表した。
同行のデジタル資産部門キネクシス(Kinexys)が開発した「Kinexys Fund Flow」と呼ばれるこのプラットフォームは、ファンドマネージャー、証券代行会社、販売会社に投資家の動向をリアルタイムで共有し、手作業による照合作業を削減することで、資金移動の遅延を短縮することを目指している。
このツールを使った最初の取引には、JPモルガンの複数の事業部門、すなわちアセット・マネジメント、プライベートバンク、そしてキネクシスが関与し、ファンド管理会社のCitcoも参加した。
これは主要金融機関の間で広がりつつある、ブロックチェーン技術とトークン化の伝統的金融への適用に関するJPモルガンの幅広い取り組みの最新のステップだ。同行はこの分野の先駆者であり、2019年にJPMコインを開発し、2020年にはブロックチェーン部門「オニキス(Onyx)」を立ち上げた。現在はキネクシスに統合された同部門は、ブラックロック(BlackRock)やシーメンス(Siemens)などのパートナーと提携し、ブロックチェーンベースのレポ取引、クロスボーダー決済、トークン化された資産決済を行ってきた。
CoinDeskが入手したプレスリリースによると、同行は来年初めに「Kynexis Fund Flow」のより広範な展開を計画している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:JPMorgan Completes First Blockchain-Based Private Fund Transaction Amid Tokenization Push


