- JPモルガンによると、ビットコインネットワークのハッシュレートは10月に過去最高を記録した。
- 1日あたりのブロック報酬収入とブロック報酬粗利益がともに減少したため、マイニングの収益性は低下した。
- このレポートによると、サイファー・マイニングの時価総額は48%増で他社のパフォーマンスを上回った。
JPモルガン(JPMorgan)は3日のレポートで、ビットコインネットワークのハッシュレートが10月に過去最高を記録したと指摘した。
このレポートによると、月間平均ネットワークハッシュレートは5%上昇し、1082EH/s(エクサハッシュ毎秒)となった。
ハッシュレートは、コンセンサスアルゴリズムがプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のブロックチェーン上でマイニングおよびトランザクション(取引)処理に利用される総計算能力を指し、業界内の競争やマイニング難易度の指標となる。
10月末時点で、アナリストのレジナルド・スミス(Reginald Smith)氏とチャールズ・ピアース(Charles Pearce)氏は、「マイニング難易度は9月末比で3%上昇し、直近の半減期前の難易度より80%上昇した」と指摘している。ブロックチェーンにブロックを追加することで得られる報酬が50%削減される半減期は、2024年4月に到来していた。
マイニング経済が3カ月連続で圧迫されているとレポートは指摘している。
マイナーは10月に1EH/sあたり平均4万8000ドル(約720万円、1ドル150円換算)の日次ブロック報酬収入を得たとJPモルガンのアナリストらは推定しており、これは9月比3%減少した。1日あたりのブロック報酬の粗利益は4%減少した。
同行が追跡している米上場マイニング企業14社の時価総額合計は、10月に25%増に相当する140億ドル(約2兆1000億円)増加し、700億ドル(約10兆5000億円)に達した。この動きは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)に関する各種発表やこのセクターのAI転向に関する熱狂に牽引されたものだ。
アナリストらによると、サイファー・マイニング(Cipher Mining)の時価総額は10月に48%増加し、このグループ全体を上回るパフォーマンスを示した。一方、キャンゴ(Cango)は5%下落し、グループ全体を下回った。追跡対象となったマイニング企業の中で、3.9%下落したビットコイン(BTC)よりもパフォーマンスが悪かったのはキャンゴのみだった。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock, modified by CoinDesk
|原文:Bitcoin Network Hashrate Hit Record High in October, JPMorgan Says


