- トランプ大統領は、暗号資産取引所バイナンスの創業者であるチャンポン・ジャオ氏に恩赦を与えたにもかかわらず、同氏を知らないと発言した。
- トランプ大統領は、恩赦は暗号資産業界におけるアメリカの競争力を維持するために必要だったと弁明し、利益相反の懸念を否定した。
- エリザベス・ウォーレン上院議員を含む批判派は、トランプ大統領が関係するベンチャー企業とジャオ氏が金銭的なつながりを持っていることを理由に、恩赦は「見返りのある金銭授受」の典型例だと主張している。
トランプ大統領はCBSニュースのインタビューで、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の創業者である「CZ」ことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏が誰なのか知らないという主張を改めて行った。
トランプ大統領は、ジャオ氏が銀行秘密法違反の罪を認めて4カ月間の拘禁刑に服してから約1年後となる10月、同氏に大統領恩赦を与えた。
トランプ大統領は、ジャオ氏は「バイデン政権から本当にひどい扱いを受けた」とし、同氏を「政府による武器化の犠牲者」と表現した。さらに、ジャオ氏は「罠にかけられた」と聞いており、恩赦は暗号資産分野におけるアメリカの競争力維持を目的としたものだと主張した。
トランプ大統領は、「自分はその男性を全く知らない。会ったこともないと思う」とし、「もしかしたら会ったことがあるかもしれない。あるいは、握手くらいはしたことがあるかもしれない。しかし、私は会ったことはないと思っている。彼が誰なのか全く知らない。自分や他の多くの人々と同じように被害者なのだと聞かされただけだ」と述べた。
トランプ大統領は利益相反に関する疑問を否定し、アメリカが「暗号資産分野でナンバーワン」であるよう維持することに注力していると強調し、自身の息子らのベンチャー事業は政府とは無関係だと主張した。
トランプ大統領は、「息子らは暗号資産に熱中している。それが嬉しい」とし、「彼らは事業を運営しているだけで、政府に属しているわけではない」と述べた。
エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員をはじめとした批判派は、トランプ氏が関連するベンチャー企業とジャオ氏が金銭的なつながりを持っていることを指摘し、今回の恩赦は「見返りのある金銭授受」の明らかな例だと主張している。
ジャオ氏の代理人を務める弁護士はニューヨーク・ポスト(New York Post)に対し、ウォーレン氏の発言は名誉毀損に当たると考えていると述べた。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Trump Tells CBS News He ‘Doesn’t Know’ Who CZ Is, Claims Former Binance CEO Was a Victim


