- ビットコインは重要な支持線を割り込み、10万ドルに向けてさらに下落する懸念が高まっている。
- この暗号資産の下落は、弱含みのハイテク株と変化する市場環境に関連している。
- 主要ハイテク株の過熱感と、AI支出増加への投資家の不安が背景にある。
ビットコイン(BTC)は10万ドルへの下落を抑えていた重要な支持線を、ハイテク株の勢いが弱まる中で割り込んだ。
時価総額最大の暗号資産(仮想通貨)はアジア取引時間中に10万6000ドルを下回った。CoinDeskのデータによれば、この水準はここ数週間で複数回、支持線として機能していた。イーサリアム(ETH)、エックス・アール・ピー(XRP)、ソラナ(SOL)などの主要アルトコインも下落し、特にSOLは8月3日以来の安値となる157ドルまで下落した。ETHも8月以来の安値を記録し、主要な移動平均線のベアクロスが発生し、下落局面の勢いが強まっていることが示された。また、XRPは3週間ぶりの安値をつけた。
10xリサーチ(10x Research)のマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏によれば、ビットコインの下落により注目は10万ドル~10万1000ドルのゾーンに移った。このゾーンを割り込めば9万4000ドル付近へのさらなる下落、あるいは8万5000ドルまでの完全な反落の可能性が開ける。8万5000ドルは最大のペインゾーンであり、強力なオンチェーン支持線とも一致するとティーレン氏は顧客向けのレポートで述べた。
「極端な場合はそのような動きになるが、ビットコインが現在の下降トレンドラインを上回っている限り、下落リスクは限定的だ」と彼は付け加えた。
BTCの低迷は、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの確率の急速な低下と、主要通貨に対するドル価値を追跡するドル指数の強気反転の兆候に続くものだ。
マグニフィセント7のスキューが反転
さらに、アップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)、アルファベット(Alphabet)、アマゾン(Amazon)、エヌビディア(Nvidia)、メタ(Meta)、テスラ(Tesla)という、いわゆる「マグニフィセント7」銘柄には過剰な熱狂の兆候が見られ、これは通常、市場の天井で観察される現象だ。
「マグニフィセント7銘柄におけるプット・コール・スキュー(プットに対するコールのインプライド・ボラティリティ)が昨年12月以来初めて逆転した。この現象はごく稀にしか発生しない。この動きは投資家が圧倒的に上昇継続を想定したポジションを取っていることを示唆している」とセティ・アソシエーツ(Sethi Associates)のマネージングパートナーであるニール・セティ(Neil Sethi)氏はXでゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)の分析を引用して述べた。
「歴史的に、このような低いスキュー値は、楽観論が頂点に達した際の短期的な調整や反転と一致する傾向がある」とセティ氏は付け加えた。
オラクルのCDSが急騰
同時に、オラクルに関連するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS、潜在的な債務不履行に対する保険コストを測る指標)は、同社が第3四半期に巨額のAI(人工知能)投資を公表したことを受けて急騰し、重大なマクロ経済的ストレス期以外では見られない水準に達した。
一部のアナリストによれば、これは急増するAI支出に対する投資家の不安を反映している。AIへの楽観論は2023年以降、株式や暗号資産を含む幅広いリスク資産の強気相場を牽引する主要因の一つだった。
総合的に見れば、強気派は過度に楽観的になるより慎重である方が賢明かもしれない。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin’s Last Support Before $100K Breaks as ‘Mag 7’ Skew Flips, Oracle CDS Surges


