- リップル（Ripple）のRLUSDステーブルコインは、2024年12月の立ち上げから1年も経たないうちに、時価総額10億ドルを超えた。
- RLUSDは現在、米ドルに裏付けられたステーブルコインの中で10番目に大きく、供給はイーサリアムとXRPレジャー（XRP Ledger）の間で分散されている。
- リップルのモニカ・ロング（Monica Long）社長は、同トークンの急速な成長は、高まる機関投資家からの需要、拡大する決済フロー、および最近の買収に起因するとした。
XRPレジャーに密接に関連するブロックチェーン決済企業リップルが手がける米ドル連動型ステーブルコインRLUSDは、2024年12月の立ち上げから1年も経たないうちに、時価総額10億ドル（約1540億円、1ドル＝154円換算）を超えた。
CoinGeckoのデータによると、このマイルストーン達成により、RLUSDは時価総額で10番目に大きな米ドル連動型ステーブルコインとなった。
ニューヨーク州の規制を受けるリップルの子会社スタンダード・カストディ・アンド・トラスト・カンパニー（Standard Custody & Trust Company）が発行するこのトークンは、ドル準備金と短期米国債に裏付けられており、リップルのより広範な決済・流動性インフラに統合されるように設計されている。
RLUSDの時価総額は、このセクターを支配する2大ステーブルコイン、テザー（Tether）のUSDT（1830億ドル）と、サークル（Circle）のUSDC（760億ドル）と比較すると依然として小さいが、その上昇は強い初期需要を示唆している。
RWA.xyzのデータによると、RLUSDの供給は現在、イーサリアムブロックチェーン上の8億1900万ドル相当と、XRPレジャー上の2億300万ドル相当の間で分散されている。
ほとんどのステーブルコインは10億ドルの大台に達するまでに何年もかかっており、RLUSDの迅速な成長は、リップルが既存の顧客基盤とグローバルな金融ネットワークを活用して採用を加速することができたことを示唆している。
リップルは、このトークンを主に、安定したオンチェーン決済オプションを探している機関投資家の顧客に販売してきたが、個人ユーザーの間での顕著な勢いが、その急速な成長に拍車をかけた。
リップルのモニカ・ロング社長はCoinDeskのインタビューで、同社の決済サービスへの需要が高まっていると語った。リップルは、現在までに約1000億ドルの決済を処理しており、RLUSDは決済フローに使用される「主要なステーブルコイン」であると、ロング氏は付け加えた。
ロング氏によると、リップルは「年間を通じて顧客の数を倍増」させ、現在75を超えるグローバルライセンスを保有している。
リップルは今年、買収を積極的に行っており、機関投資家や企業向けのデジタル資産サービスを補完するために、4社を買収した。
12億5000万ドルで買収したプライムブローカーのヒドゥン・ロード（Hidden Road）は、現在はリップル・プライム（Ripple Prime）となっている。
ステーブルコインの決済企業レール（Rail）は2億ドルで買収した。最新の買収対象は、財務管理技術を手がけるGトレジャリー（GTreasury）とウォレットインフラのスタートアップ、パリセード（Palisade）である。
ロング氏はCoinDeskに、「有機的成長と無機的成長の両面で、私たちにとって本当に大きな一年であった。すべてを統合し、すべての要素を結びつけるべく取り組んでいる」と語った。
リップルの買収戦略は、パリセードやレールによるステーブルコイン決済機能の拡充のような、既存のサービスを加速させるか、またはヒドゥン・ロードのプライムブローカレッジのように、ビジネスを新しい垂直分野に拡大するのを助けるターゲットを見つけることであると、ロング氏は説明し、次のように続けた。
「買収に関しては引き続き機会を捉えていく方針だ。弊社のバランスシートは依然として、非常に健全で規模も大きい」。
｜翻訳・編集：山口晶子
｜画像：リップルのモニカ・ロング社長（Ripple、CoinDeskが加工）
｜原文：Ripple’s Stablecoin Hits $1B Milestone; Company President Discusses M&A Strategy to Fuel Growth
