- 長期保有者の供給量は11月に1433万BTCに減少し、3月以来の低水準となり、この減少はビットコインが8万ドルの調整安値を付けた時期と一致していた。
- 9万ドルへの反発は、ピークから底値までの36%の下落後、ベテラン保有者による現物主導の売りがほぼ一巡したことを示唆。
- 2025年の長期保有者の動きは、過去のサイクルとは異なり、ブローオフトップ後のキャピチュレーション(投げ売り)ではなく、より落ち着いた分配を示しており、市場構造の変化を示唆している。
ビットコイン(BTC)の長期保有者(Long-Term Holder:LTH)の供給量は、11月21日に周期的な低水準に達し、同日にビットコインは8万ドル前後で底値を付けた。ビットコイン価格は現在9万ドルに戻り、安値から約15%上昇しており、このデータは、ピークから底値までの36%の調整後、現物主導の売り圧力の大部分がすでに市場から消え去ったことを示唆している。
この傾向は、2025年の主要なナラティブとなっている。というのも、現物売りが継続的に行われていることが、ビットコインが年初来ほぼ横ばいで取引されている主な理由だからだ。
長期保有者とは、コインを少なくとも155日以上保有している主体と定義される。コインが時間の経過とともに短期保有者からこの層へと移行するにつれて、長期保有者の供給量は自然に増加する。
最近の保有量の安定化と早期の反転は、こうしたベテラン保有者からの分配の波が大幅に緩和し、市場の構造的な売り圧力が弱まっていることを示唆している。
夏以降、長期保有者は保有量を、7月の1476万9512BTCから11月には1433万128BTCへと減らした。
長期保有者の供給量における直近過去2回の谷は、2024年4月と2025年3月に発生した。2024年4月の減少は、ビットコインが史上最高値7万3000ドルに達した直後に発生し、長期保有者が強気相場で分配していたことを示した。2025年3月の谷は、トランプ関税への懸念によって引き起こされた調整局面で形成され、ビットコインは最終的に4月に約7万6000ドルで底値を付けた。
過去のサイクルを俯瞰すると、長期保有者の供給量は、サイクルのピークに伴う個人投資家主導の熱狂期に急激に減少する傾向見られ、特に2017年と2021年が顕著だ。
だが、今回のサイクルは様相が異なる。劇的なブローオフトップとその後の激しい分配ではなく、パターンはより落ち着いたものとなり、より安定した増減を特徴としている。これは、市場構造と保有者の行動が進化したことを示しており、オンチェーンの動きが異なるため、4年サイクルの構造に影響が出ている。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:長期保有者の供給量(Glassnode)
|原文:Bitcoin’s Long-Term Holders Hit Cyclical Low as Sell Pressure Finally Eases


