IBM、CESでコーヒー豆追跡アプリを発表──栽培農家の支援も視野に

IBM、CESでコーヒー豆追跡アプリを発表──栽培農家の支援も視野に

IBMは、ラスベガスで開催中の家電見本市CESでブロックチェーンを使った新しいアプリを発表。このアプリを使うと、サスティナビリティ(持続可能性)に関心を持つ消費者は、購入したコーヒーをサプライチェーンに沿って追跡できるようになる。

新アプリ「サンク・マイ・ファーマー」を発表

IBMによると、同社の新しいアプリ「サンク・マイ・ファーマー(Thank My Farmer )」を使うと、消費者は朝の一杯のコーヒーを、購入したお店から栽培された農場まで追跡できるようになる。

IBMのブロックチェーンを利用しているトレーサビリティ・プラットフォーム「ファーマー・コネクト(Farmer Connect)」と共同で開発したアプリは、2020年のいずれかの時点でローンチされる予定。同アプリは現在、ラスベガスで開催中の世界最大級の家電見本市CES(Consumer Electronics Show)で発表された。

ベイヤーズ・コーヒー(Beyers Koffie)、アメリカ最大の規模を誇るコロンビアコーヒー生産者連合会(Columbian Coffe Growers Federation:FNC)を含めたコーヒー業界の10の主要組織がこのアプリをサポートしている。

アプリを使うと、持続可能なコーヒービジネスをサポートすることに関心を持つ消費者は情報に基づいて商品を選択できるようになる。特に、エシカルで環境に優しいコーヒー供給者を支援することに活用できる。

「狙いは、コーヒーを飲む人と、毎日のコーヒーとの関係を人間味あふれるものにすること」とファーマー・コネクトの創業者兼社長のデビッド・ベーレンズ(David Behrends)氏は語った。

「消費者は今、開発途上国のコーヒー生産者を支援することによって、サスティナビリティ・ガバナンスにおいて積極的な役割を果たすことができる。ブロックチェーンとこの消費者向けアプリを通じて、我々は好循環を作り出している」

瓶のQRコードでコーヒーのサプライチェーンを追跡

コーヒーのサプライチェーンは長くて複雑。栽培後は出荷、焙煎、そして梱包されて最終的に小売店舗に並ぶ。非常に多くの人が関わるため、サプライ情報は分断化される可能性があり、消費者がコーヒーの由来を正確に確かめることは極めて難しい。

ブロックチェーンを使ってコーヒーのサプライチェーンの透明化を図る取り組みは、同アプリが初めてではない。エチオピア政府は2019年、IOHK(Input Output HK)の協力を得て、同国のコーヒー輸出を追跡するためにブロックチェーンを活用する方法を検討していると述べた。スターバックスは2019年5月、マイクロソフト(Microsoft)のアジュール(Azure)・ブロックチェーンを利用して、消費者が同社のサプライチェーンを「完全に閲覧」できるようにすると述べた。

サンク・マイ・ファーマーはIBMのブロックチェーンを利用して、情報を標準化し、1カ所からアクセスできるようにしている。消費者はコーヒーの瓶の横に付いたQRコードをスキャンすると、そのコーヒーの生産者を確認でき、豆を育てた農家に追加の支払いをすることもできる。

「このプロジェクトは、いかにしてブロックチェーン技術が真の変革の手段となるかを示す新しい一例」とIBMフード・トラスト(IBM Food Trust)のゼネラル・マネージャー、ラージ・ラオ(Raj Rao)氏は語った。

「ブロックチェーンは、意欲的なビジネステック以上のもの。人々が消費するモノに対して信頼を築く方法を変革するために使われている。企業にとっては、より大きな透明性と効率性をもたらす」

まずは北米とヨーロッパの一部のブランドで利用可能となる。IBMは他のコーヒーメーカーにもサービスを拡大する計画、また消費者がコーヒーが栽培しているコミュニティーに寄付ができる支援ページといった新たな取り組みも提供していく。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Image via Shutterstock
原文:IBM Blockchain App Promotes ‘Virtuous Cycle’ for Sustainable Coffee

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