ビットコイン、1時間で約2万円高騰

ビットコイン価格は2019年1月6日(現地時間)、1時間半で200ドル(約21,700円)値上がりし、30日ぶりの高値となる7800ドル(約85万円)を記録した。

時価総額で世界最大の仮想通貨であるビットコインは、データ提供企業コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)がステーブルコイン、テザー(USDT)の供給の突然の高まりを知らせた後に値上がりした。

ビットコイン(BTC)価格の5%の値上がりには当初、20時49分(世界協定時)の41億4000万ドル(約4480億円)付近から20時54分の46億5000万ドル(約5040億円)へとテザーの時価総額が5億ドル(約540億円)増えたことが先行したように見られた。

テザーの財務ウェブサイトは現在、総資産の価値が4,776,470,463.76ドル(約5180億円)となっており、負債は4,656,898,280.75ドル(約5050億円)となっている。

しかし、このページのアーカイブはここ数日同じような数値を示しており、コインマーケットキャップのデータが以前にはすべての需要を捉えていなかったことを示唆している。USDTは、オムニ(Omni)、イーサリアム、トロン(Tron)やリキッド(Liquid)を含めた複数のブロックチェーンネットワークで運用されている。

トレーダーは、USDTの発行者であるテザー(Tether)社に米ドルを預け、見返りにステーブルコインのUSDTを受け取ることができる。USDTは米ドルに1対1でペッグされており、仮想通貨取引所間で資金を素早く移動させるために利用されるため、その時価総額の高まりは、デジタル資産への需要の高まりと解釈された可能性がある。

そうすると、ビットコインが1月6日(現地時間)の遅い時間に高騰した正確な理由は不明なままである。1月3日より続く米-イラン間の緊張状態を背景として、ビットコインの安全な避難先資産としてのユースケースをめぐる議論が、投資家らの間で中心的となっている。

当記事執筆時点では、ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average:DJIA)は0.25%上がり、S&P 500インデックス(SPX)は0.35%上がっている。原油価格(USOIL)は少し打撃を受けて0.35%下がっているため、ビットコインが不確実な情勢における安全な避難先資産であるというナラティブは、現段階では不透明なままだ。

イーサ(ETH)やリップル(XRP)などの他の主要仮想通貨はそれぞれ、5.76%、11.18%と大きく値上がりした。

当記事が配信された後に、CTOのパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)氏がコインマーケットキャップはデータを修正したとツイートしたが、テザー社の広報担当者はコメントの求めに応じなかった。

発行はない」とアルドイノ氏は述べた。

コインマーケットキャップはコメントの求めに応じなかった。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
原文:CORRECTED: Bitcoin Price Jumps $200 in One Hour