バックトのビットコインオプション取引、先週は0件──CMEとの差が顕著に

インターコンチネンタル取引所(ICE:Intercontinental Exchange)の子会社バックト(Bakkt)のビットコインオプション取引は完全に干上がっている。だが一方でシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のオプション取引には強い関心が寄せられている。

現物引き渡し型のビットコイン先物は順調だが

バックトのデータによると、先週、バックトでのビットコインオプション取引は0件だった。17日に行われた20件の後、取引は行われていない。

これはビットコイン価格が3カ月ぶりの高値を記録し、ボラティリティが高まっている中での出来事。通常、オプションの需要はボラティリティの高まりとともに上昇する傾向がある。

バックトは2019年12月9日、初めて認可を受けたビットコインオプションの提供を開始した。同社は2019年11月に現金引き渡し型のビットコイン先物を、9月には現物引き渡し型のビットコイン先物をローンチした。

9月24日にローンチした現物引き渡し型のビットコイン先物は市場に順調に受け入れられた。開始から1カ月後には初日の4倍の取引高となる480万ドル(約5億2000万円)を記録したと取引状況を記録しているBakkt Volume Botはツイートした。この堅調な成長がバックトのビットコインオプションの提供を後押ししたようだ。

CMEとバックトのビットコインオプション取引高
出典:Skew

CMEのオプションは順調

しかし今のところ、同社のビットコインオプションの盛り上がりは弱い。12月9日のローンチから最初の4週間で取引高は100万ドルをわずかに超えた。50万ドル相当の最高額の取引は2週目に行われた。

こうした数字は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコインオプションの初日の取引高230万ドルと比べると少なく見える。バックトでの取引は、特にCMEがビットコインオプションを開始から減少している。CMEはバックトの約1カ月後、2020年1月13日にオプション取引を開始し、その取引高は増加している。先週、バックトのオプション取引は0件だったが、CMEは59件だった。

今のところ、機関投資家はバックトよりもCMEを好んでいるようだ。CMEが2年前に開始したビットコイン先物は仮想通貨分野で最も流動性の高いデリバティブ商品であるため、これは驚くことではない。

バックトのビットコイン先物は12月18日に6600件の過去最高の取引高を記録した。一方、CMEのビットコイン先物の1日あたりの平均取引高は2019年、6400件となった。しかし、その差はより大きい。バックトの契約は1BTCであるのに対し、CMEの契約は5BTCになっている。

バックトの取引高が5月に予定されている半減期に先立つ価格のボラティリティの上昇の可能性に合わせて増えるのか、あるいは、CMEがこのままデリバティブ市場において優位を保つのかはまだわからない。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Literally No One Is Trading Bakkt’s Bitcoin Options