マイナーのイーサリアム保有残高、過去最高額に近づく──その意味とは?

イーサリアムのマイナーはイーサリアムを貯め込んでいる。これはイーサリアムへの高い信頼を示している。

残高増加をどう見るか?

仮想通貨市場データプラットフォームのSantimentによると、全イーサリアム・マイニングプールが保有するイーサリアム残高は2019年10月に記録した過去最高額169万ETH近くに戻ってきた。

残高は、2019年11月の164万ETHから堅調に増加してきた。

「残高の着実な増加は、多くのマイナーのイーサリアムに対する高い信頼を示している。現在の市況とはほとんど無関係」と、あるニュースレターにSantimentの創業者マクシム・バラシェビッチ(Maksim Balashevich)氏は記した。

全イーサリアム・マイニングプールの累積残高は1年前の152万から11%上昇した。

特に、残高は、イーサリアム価格が366ドルから170ドルに半減したにもかかわらず、2019年10月までの4カ月で154万から169万に急増した。

価格が低迷するなか、マイナーがイーサリアム残高を増やそうとしている理由の1つは、2019年上半期に価格が120%上昇したことを受けて、市場心理が強気に転換したことにあると考えられる。アナリストの多くは、価格の下落は主に強気市場の修正と見ていた。

しかし、イーサリアムは低迷を続け、10月下旬に170ドルを割った。これにより一部のマイナーはイーサリアムを売却したとバラシェビッチ氏は指摘した。

その結果、残高は11月上旬までに164万まで回復した。

マイニングの収益性は、価格の動きに大きく影響を受ける。価格の低迷が続くと収益に悪影響を及ぼし、小規模で非効率的なマイナーは操業縮小を強いられる。その間、マイニング関連の損失をカバーするために、マイナーはしばしばイーサリアムを売却し、価格に弱気圧力を加える。

今後の展望

イーサリアム価格は1月、36%上昇した。市況は強気に反転しているようだ。つまり、マイナー残高はすぐに169万を超え、記録を更新する可能性がある。

「直近の市場の大きな変動を除けば、2、3日で記録は更新されるだろう」とバラシェビッチ氏は記した。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
画像:Miner ETH balances versus price, Feb. 1, 2019 to Jan. 30, 2020. (Chart via Santiment)
原文:Ethereum Miners’ ETH Holdings Near Record Highs