「重大な」規制を準備中、米財務長官が警告

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は仮想通貨の新しい規制を発表する準備を進めている。スティーブン・ムニューシン長官が2月12日(現地時間)に語った。

ムニューシン長官は上院財政委員会の公聴会において、FinCENは仮想通貨に関する「新しい重大な要件」を展開する準備を進めていると語った。だが長官はそれ以上の詳細は明らかにしなかった。

ムニューシン長官の発言はマギー・ハッサン(Maggie Hassan)上院議員の質問に答えたもの。ハッサン議員は「疑わしい仮想通貨取引の監視、仮想通貨を使った不正な資金調達を行うテロリストなどの犯罪組織の取り締まりにおいて、財務省の予算要求はどれくらい増えるのか?」と質問した。

FinCENと財務省はより広範囲に「この問題に多くの時間を費やして」おり、他の複数の規制当局と協力して問題に取り組んでいるとムニューシン長官は述べた。

長官は具体的な名称は挙げなかったが、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)、財務省外国資産管理室(OFAC)がこうした問題に取り組んでいる。

「我々はこのテクノロジーが確実に前に進むようにしたいと考えている。だが一方で、仮想通貨がスイスの古い秘密銀行口座に相当するものとして使われることがないようにしたい」

財務省は不正使用に関する上院議員の懸念を共有しており、「すぐに多くの成果を目にすることになる」と長官は語った。

我々はFinCENの広報担当者にコメントを求めたが、返答はまだない。

FinCENとケネス・ブランコ(Kenneth Blanco)局長は、仮想通貨分野の企業に対して、既存の規制は仮想通貨取引のほとんどの形態、特にアンチ・マネーロンダリング規制をカバーしていると数カ月前から警告している。

FinCENは2019年秋、他の金融規制当局とともに共同声明に加わり、銀行法が依然として仮想通貨に適用されると指摘した。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:US Financial Crimes Watchdog Preparing ‘Significant’ Crypto Rules, Warns Treasury Secretary Mnuchin