【新型コロナ】野村証券、LINE、GMO……イベント中止、在宅勤務指示──金融・フィンテック業界に影響

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が広がっていることを受けて、野村證券や大和証券などの大手証券会社やLINE、メルカリなどのフィンテック関連企業が相次いでイベントを中止している。その代わりにイベントをVRで行う企業も出てきている。またイベントだけでなく社員に在宅勤務を指示する企業も増えてきている。

ITを駆使したリモートワークは近年広がってきていたが、今回の感染拡大をきっかけに、その動きには一層拍車がかかりそうだ。

証券各社、JPX、LINEなどがイベントを中止

イベントの中止または延期を発表している証券会社には、野村證券、大和証券グループ本社、日本証券取引所(JPX)やSMBC日興証券、みずほ証券がある。いずれも店舗や支店が主催するセミナーなどについて、基本的に中止すると発表している。

フィンテック企業では、LINEが2、3月に開催予定のイベントを中止または延期すると発表しているほか、名刺管理ソフトのSansanも3月のイベントを中止する。メルカリは自社イベントのオンライン化をし、他社イベントへの参加も原則禁止する。社外の関係者との会食も禁止する徹底ぶりだ。

KDDIは3月を予定していたイベントをオンライン・イベントとして再編成、VR(仮想現実)などを通じて参加できるようにする。

メルカリは採用面接もオンライン化

社外関係者や顧客を招いたイベントを中心するだけでなく、社員の在宅勤務や時差出勤を決めるフィンテック企業も出てきている。

GMOインターネットグループは新型肺炎の影響でいち早くリモートワークへの移行を決断。クラウドファンディングのCAMPFIREも、期限を定めず在宅勤務を全面的に導入した。ヤフーはフレックスのコア時間帯を通勤ラッシュを回避できるように設定、今回の感染拡大を受け、一部対象者に在宅勤務の制限を撤廃している。

メルカリや楽天も新たに在宅勤務を一部導入し、時差通勤を推奨している。社内会議をオンライン化するという。メルカリは採用面接もオンライン化するという。

金融庁は有価証券報告書の提出期限を延長

こうした動きを見せているのは民間企業だけではない。金融庁も新型コロナウイルスの対応を始めている。上場企業などに求められる有価証券報告書について、中国子会社の監査ができない場合など、最大で3カ月の提出期限の延長を認めた。

外務省が中国滞在者の早期の一時帰国や、中国への渡航延期を検討するように呼びかけているなかで、金融庁も対応したかっこう。

金融庁と日本経済新聞社が開催するブロックチェーンの国際会議「BG2C FIN/SUM BB」(3月9、10日)は、感染対策をしっかりと講じた上で現時点で実施する見込みだという。

文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock