韓国の中央銀行、債権市場向けブロックチェーンシステム構築へ

韓国の中央銀行「韓国銀行(BOK:Bank of Korea)」は、債券市場向けブロックチェーンシステムの開発を検討している。同市場はアジア最大級の債券市場だ。

韓国の経済ニュースサイト「Yonhap Infomax」は2月18日、韓国銀行は債券市場の管理業務を改善するブロックチェーンシステムを構築できる企業を探していると伝えた。

債権取引はブロックチェーンに記録され、「リアルタイム同時決済取引システム」の基盤を形成することさえできると現地当局者はYonhapに語った。システムは関係する金融機関、韓国銀行、そして韓国の金融監督機関である公正取引委員会(FTC:Fair Trade Commission)の間で共有されるよう設計される。

記事によると、障害や事故についての最終的な責任範囲について、規制上の問題がより明確になるまで、韓国銀行がこのシステムをローンチする可能性は低いようだ。

金融データサイト「Cbonds」によると、韓国債権市場はアジア最大級の債券市場。政府は定期的に債権を発行し、債権は海外投資家が購入可能だ。韓国はグリーンボンド(環境債)のような地球環境を意識した債権の出現とともに急速に地域のリーダーとなりつつある。グリーンボンドの発行額は2019年6月までに60億ドル超まで増え、中国を20億ドル上回った。

韓国銀行は、世界銀行を参考にしたと言われている。世界銀行はオーストラリア・コモンウェルス銀行(Commonwealth Bank of Australia)と共同で、プライベートなイーサリアム・ブロックチェーンで行われた2度の債権販売を通じて総額1億800万ドル(約119億円)を調達した。

韓国銀行が提案したブロックチェーン構想が政府発行の債権のみを想定しているのか、企業発行の債権も含むように拡張可能なのかは定かではない。同様に、このプラットフォームは中央銀行デジタル通貨(CBDC)をサポートするのかどうかはわからない。

韓国銀行は2019年末、CBDCを研究するための専用タスクフォースを立ち上げた。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Chintung Lee / Shutterstock
原文:South Korea’s Central Bank Is Building a New Blockchain System for the Bond Market