仮想通貨取引が「即日・翌日」可能になるeKYC──ディーカレットも導入

暗号資産(仮想通貨)交換所のディーカレットは2月25日、本人確認(KYC、Know Your Customerの略)がインターネットで完結する「eKYC」の導入を発表した。口座開設では申込み時に本人確認が必須だが、利用する投資家にとっては面倒なため、そこで離脱してしまうケースは少なくない。そうした顧客の取りこぼしを防ぐため、業界ではeKYCを導入する動きが広がっている。

最短で翌日の口座開設が可能、「即日」うたう取引所も

ディーカレットは、Liquid社が提供するシステムを採用。スマートフォンアプリからeKYCを申し込むことで、最短で翌日の口座開設が可能になる。本人確認はがきの受け取りは不要になる。

暗号資産業界ではeKYCを導入する動きが広がっており、LINE傘下のLVCが提供する仮想通貨販売所BITMAXやビットフライヤー、マネックスグループ傘下のコインチェック、ビットバンク、フォビが導入を発表している。早ければ即日に取引を開始できる取引所もある。ビットバンクについてはeKYCシステムを提供するシンプレクスが発表した。

仮想通貨取引所で口座開設をする場合、マネーロンダリング対策などのため、本人確認業務の厳格な実施が求められる。一方で、本人確認はがきの受け取りにかかる時間や手間は、取引所にとって顧客の離脱につながっていた。

2019年を通して、国内の仮想通貨取引所全体の口座開設数は、重複を含めて34万人の増加に止まっている。顧客の獲得が急務となるなか、顧客の取りこぼしを防ぐ目的でeKYCの導入が進んでいる。

文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock