米人材サービス大手、マッチングにブロックチェーン活用へ

世界最大級の人材企業ランスタッド(Randstad)は、サイファリウム(Cypherium)ブロックチェーンとグーグルクラウド(Google Cloud)を組み合わせて、企業ニーズと人材のマッチングを向上させるテストを開始した。

オランダに拠点を置くランスタッドは、ブロックチェーンは日々の採用活動の「基本的な部分」を扱うことによって、採用に関わるお役所仕事的な業務を自動化する方法を提供し、採用プロセス全体をより効率化できるとブログに記した。

ランスタッドが最近行った研究では、分散型台帳技術(DLT)は学歴、職歴、生年月日、住所、身分証明といった候補者のデータの確認を実現しながら、候補者の個人情報を安全に保管する方法を提供できることがわかった。

今回の取り組みは、病気の流行を受けて緊急スタッフと必要とする医療サービス企業のような迅速な人材確保が必要な企業と適切な候補者をプライバシーを犠牲にすることなくマッチングすることが目的だ。

サイフェリウムのCEOスカイ・グオ(Sky Guo)氏は、顧客は全データを中央集権的に保存する必要はなく、データベースからデータを抽出することでプライバシーを保護できるとCoinDeskに語った。

「応募者が成績や学位の証明をしたい時には、学位のハッシュを提供するだけ。雇用主は大学のハッシュを使って、そのハッシュを検証できる」

サイフェリウムとグーグルクラウド

サイフェリウムはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)とホットスタッフ(HotStuff)を組み合わせたハイブリッドコンセプトに基づいたブロックチェーンインフラプラットフォームで、スマートコントラクトに特化している。ホットスタッフはフェイスブックのリブラ(Libra)プロジェクトが採用した比較的新しいコンセンサスプロトコルだ。

グーグルクラウドのGスイート(G Suite)はさらに、自社でクラウドシステムを維持・管理することなく、独自の人材プラットフォームを監視・構築する手段をランスタッドに提供する。

ランスタッドのグローバル・コラボレーション・マネージャー、フランク・ファン・デア・ビジル(Frank van der Bijl)氏は、グーグルクラウドのサービスとサイフェリウム・ブロックチェーンを組み合わせることで、同社は適切な人材を認証し、マッチングするためのより速く、簡単な方法を手に入れることができると述べた。

「グーグルクラウドとGスイートはすでに、一部の手作業による認証業務から我々を解放してくれた。さらに多くの業務を手放すためにサイフェリウムのブロックチェーンを利用することを計画している」

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Human Resources Giant Randstad Explores Blockchain to Quickly Match Talent With Recruiters