CMEビットコインオプション取引高史上最低、バックト数週間取引無し

CMEビットコインオプション取引高史上最低、バックト数週間取引無し

規制に則った米デリバティブ取引所においてビットコインオプションに対する需要は、枯渇した。価格のボラティリティが記録的高さに達しているにも関わらずである。

シカゴマーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange:CME)によると、2020年3月17日(現地時間)、わずかに3件のビットコインオプション契約が取引されただけで、想定元本は15ビットコイン(約8万ドル(約876万円))となった。仮想通貨デリバティブ企業スキュー・マーケッツ(Skew Markets)によれば、これはCMEでのビットコインオプションの単日での取引高として最低記録である。これまでの過去最低取引高は、1月24日の12万5000ドル(約1370万円)であった。

CMEのビットコインオプションは1月13日に取引が開始され、初日には想定元本で合計220万ドル(約2億4151万円)が取引された。これは2019年12月9日の開設以来約100万ドル(約1億0978万円)の取引が行われた、競合であるインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange)のバックト(Bakkt)に勝る取引高だった。

CMEにおける取引高は1月17日に過去最高の540万ドル(約5億9000万円)に達したが、それ以来減少を続けていた。3月17日時点の取引高は、少し増加して210万ドル(約2億3050万円)となった3月9日に比べて96%減少していた。

一方のバックトでは、2月27日以来オプション取引が行われていない。

バックトは12月9日にビットコインのオプション取引を開始し、1月8日には過去最高となる想定元本52万8000ドル(約5800万円)の取引が行われた。しかし、バックトでのオプション取引は、1月中旬のCMEのオプションのローンチを受けて閑散としてしまった。

バックトでは1月中旬以来、オプション契約の取引は4日間しか行われていない。

ビットコイン価格のボラティリティがここ数日で急上昇したことを考慮すると、CMEとバックトにおける取引活動の低迷はおそらく、驚きかもしれない。

スキューのデータによれば、ビットコインの値動きの可能性に対するオプション市場の見通しを表す3カ月インプライド・ボラティリティは、3月17日までの7日間で、1日あたり3.5%(年率換算66.9%)から、過去最高の6.8%(年率換算130%)へと増加した。

セオリーに反する動き

ボラティリティの高まりは通常、オプションのようなヘッジのための商品に対する需要をあおる。オプションとは、特定の日付当日またはそれ以前に、事前に設定された価格で原資産を売買する権利を保有者に与えるデリバティブ契約である。コールオプションは買う権利を、プットオプションは売る権利を与える。

しかし、規制に則ったアメリカの取引所では、ビットコインで逆の事態が発生した。ボラティリティが急増するに伴って、取引高は急激に減少したのだ。

オプション取引高の減少は、大量のマージンコールを引き起こした、その前の週の株式市場での大規模な急落の際に、機関投資家がビットコインをリクイディティの源として扱ったことによって引き起こされたようだ。

「先週の市場の暴落では、機関投資家がビットコインを含む多くのリスク資産を売った。CMEは、所有権や利用を優先しない、ビットコインでの投資を求める従来型の投資マネージャーのために作られた、規制を受けたプラットフォームであり、顧客がキャッシュへと逃避するに伴って、取引高が減少した」と、デジタル資産運営会社ウェーブ・ファイナンシャル(Wave Financial)のディレクター、トム・ロンバルディ(Tom Lombardi)氏はCoinDeskに語った。

このような主張を支えるは、CMEのオプション市場の未決済の建玉が、3月12日に5週間ぶりの低水準となる想定元本650万ドル(約7億1295万円)まで落ち込み、3月17日には840万ドル(約9億2135万円)であった事実である。2月28日に記録した過去最高の2200万ドル(約24億1362万円)に比べると大幅な減少である。

CMEに上場しているビットコイン先物でも、取引行為の低迷が見られた。未決済の建て玉は、2月12日に過去最高の3億3800万ドル(約371億円)を記録した後、先週には2カ月ぶりの低水準となる1億7100万ドル(約188億円)へと減少した。一方の取引高は、2月28日に過去最高の11億ドル(約1209億円)を記録した後、3月6日には3カ月ぶりの低水準となる8800万ドル(約97億円)まで減少した。3月17日の取引高は2億1200万ドル(約233億円)であった。

取引高と未決済の建て玉の最近の減少は、トレーダーがヘッジ(コール/プット)を処分し、スポットおよび先物市場でポジションを清算したことを示唆している。

幅広い低迷

世界最大の仮想通貨オプション取引所デリビット(Deribit)におけるオプションの取引高は3月17日、3月1日以来の最低水準となる5200万ドル(約57億円)まで減少した。

ビットコイン価格が、従来型市場でのリスク回避を追う形で、7950ドル(約87万円)から4850ドル(約53万円)へと、39%という驚きの値下がりを記録する中、取引高は3月12日、過去最高となる2億4800万ドル(約272億円)となった。下落傾向の動きは、取引所ビットメックス(BitMEX)における強制的な清算によってさらに強められた可能性が高い。

※筆者は当記事執筆時点で、仮想通貨を保有していない。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock/Maciej Bledowski
原文:CME Bitcoin Options Volume Hits Record Low, While Bakkt Goes Weeks With No Trades

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