「キャッシュレス還元額」4ヵ月で想定の1,800億超え──決済額の6割超がクレカ、QRコードは1割に満たず

加盟店でクレジットカードやスマホなどを使ったキャッシュレス決済すれば、最大5%のポイント還元が受けられる「キャッシュレス ・消費者還元事業」の状況が発表され、還元額が1月20日の時点で当初想定の1,800億円を上回り、1,880億円に上ることが、経済産業省の発表で分かった。不足分は補正予算で上積みされている。

経済産業省の3月21日の発表を見ると、決済金額別ではクレジットカードが6割を超えている(64%)一方で、QRコード決済は1割未満(7%)にとどまっており、クレジットカードの強さが改めて浮き彫りになった格好だ。

決済総額4.6兆円のうちQR決済はわずか0.3兆(7%)

「キャッシュレス・消費者還元事業」は、消費税率が10%になった19年10月1日から始まっており、期間は2020年6月末まで。

3月21日付の発表によれば、2019年10月1日から2020年1月20日までの決済金額は約4.6兆円。決済手段の内訳を見ると、約2.9兆円(64%)がクレジットカードで、0.3兆円(7%)がQRコード決済、1.4兆円(30%)がその他の電子マネーだった。

当初の還元分の予算は1,800億円ほどだったが、今回初めて当初の還元額を超え、約1,880億円になった。還元額は2019年、補正予算で上積みされている。

2%還元のコンビニ還元額は210億円(11%)

還元の内訳は、5%還元対象の中小・小規模事業者(個店)の還元額が約1,610億円(約86%) となり最大。2%還元対象のフランチャイズチェーン(コンビニ以外)の還元額は約60億円(3%)、コンビニの還元額は約210億円(11%) となっる。

3月21日時点での加盟店登録数は、107万店に上っている。5%還元対象の中小・小規模事業者の登録数が約97万店(90%) で、 2%還元対象のフランチャイズチェーン(コンビニ以外)の登録数が約5.1万店(5%)、コンビニの登録数が約5.4万店(5%) と続く。

文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock