新型コロナ対策の1200ドルの現金支給、そのまま暗号資産取引所に?

新型コロナウイルスへの経済対策として振り込まれた「1人あたり1200ドル」の現金の一部は、そのまま暗号資産(仮想通貨)取引所に流れ込んでいるようだ。

アメリカ政府は先週、新型コロナウイルスに対する経済対策として8000万ドル(約86億円)以上の現金支給を行い、「1人あたり1200ドル」を銀行口座に直接振り込んだ。新型コロナウイルスの影響を受けた市民に、食料や公共料金などの支払いのためのお金を提供することが目的だった。

しかし、一部の人たちは、受け取ったお金をウォルマートやアマゾンなどで費やすのではなく、暗号資産(仮想通貨)に変えた可能性がある。

コインベース(Coinbase)のブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOは、4月17日、同取引所で1200ドル相当の暗号資産の購入や入金が急増したとツイートした。4月中旬まで、1200ドル相当の購入あるいは入金が全体の約0.1%だったが、その後、先週は0.4%近くまで突然急増した──ちょうど、多くのアメリカ人が経済対策の支払いを受け取り始めた時期だ。

もちろん、こうした購入や入金がすべて政府からの現金支給かどうかは、正確にはわからない。グラフには購入と入金の割合が記されていないので、一部の顧客は単に取引所にお金を保管しただけかもしれないし、政府から支給されたお金かどうかさえわからない。

しかし、失業率が状況しているにもかかわらず、アメリカでは多くの人はまだ仕事をして給料をもらっている。経済的に安定している多くの人たちは、経済対策で受け取った現金を投資することに決めたのかもしれない。

1200ドルの入金が増えたのはコインベースだけではない。バイナンスUS(Binance.US)でも1200ドルの入金が急増していると広報担当者はCoinDeskに語った。

「ここ数日で、バイナンスUSにはちょうど1200ドルの入金が数多く見られた」と同社は述べた。

さらに、16日はバイナンスUSへの米ドルの入金がここ1カ月以上で最大となったと広報担当者は付け加えた。だが具体的な額を明かすことは控えた。

3月、新型コロナウイルスの感染拡大の恐怖がピークに達した際、暗号資産は大きな打撃を受けた。だがそれ以来、反発している。金利は記録的な低水準にあり、株式などの他の資産も低迷しているため、この状況を新しい資産クラスに賭けるチャンスと考えている人もいるのかもしれない。

我々は、コインベースや他の取引所にコメントを求めたが、記事公開時までに返答はなかった。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Some U.S. Citizens Look to Be Splashing Their Stimulus Cash on Cryptocurrency