『ハリー・ポッター』作者がツイッターでビットコイン──イーロン・マスクが返信した内容は?

『ハリー・ポッター』シリーズの作者、 J.K.ローリング氏は、ビットコインについての自身のツイートが、暗号資産コミュニティの情熱と想像力をこれほどまでに解き放つことになるとは思っていなかっただろう。

5月15日、米CoinDeskのリー・クエン(Leigh Cuen)記者のツイートに対して、ローリング氏はこうツイートした。

「ビットコインはわからない。誰か教えて」

2時間で約1300の返信が届いた後、同氏はこう続けた。

「信用できない」

ビットコインをハリー・ポッターに例えると

ツイッターには、暗号資産(仮想通貨)についてのツイートを行う人のコミュニティがある。自分たちが知るニッチなノウハウを共有しようと考えている。

ローリング氏は偶然、このコミュニティと接点を持つことになった。同氏の物語を真似て、多くの人がビットコインについて語り始めた。

「『名前を呼んではいけないあの人』が、自分を不滅の存在にするために自分の魂を7つに分けて、世界中のさまざまなものの中に隠したことを覚えている?」と、ブロックチェーンを専門とする弁護士のジェニー・レオン(Jenny Leung)氏はツイートした。

名前を呼んではいけないあと人(つまり、ハリー・ポッターの敵役のヴォルデモート卿)は、誰も7つの分霊箱をすべて見つけることはできないと考えている。

同様にビットコインは、ビットコイン・ソフトウエアを実行している世界中の何千ものノードで構成されている。ビットコインを停止させるには、これらのノードを一度にすべて停止させる必要がある。つまり、ビットコインを止めることは難しい。

暗号資産関連メディア「The BlocK」のリサーチャー、スティーブン・ゼン(Steven Zheng)氏は、こう述べる。

「ドビーが靴下で自由になった時のことを覚えている? ビットコインはその靴下」

ドビーはハリー・ポッターに登場する「屋敷しもべ妖精」で、自由を何よりも望んでいた。また、屋敷しもべ妖精は、衣服をプレゼントされるまで自由になれない。

他にも数名が、ビットコインをハリー・ポッターに登場するお金にまつわる話題に例えて説明した。

「グリンゴッツ銀行が『フルー』で移動したと考えてみてください」とツイートしたのは、ジーキャッシュ・ファウンデーション(Zcash Foundation)のエグゼクティブディレクター、ジョシュ・シンシナティ(Josh Cincinnati)氏。魔法界の唯一の銀行であるグリンゴッツ銀行と、魔法使いが他の場所に瞬間移動するために使う暖炉のフルーに触れた。

「ガリオン金貨を想像して。供給量に限りがあり、ガレオン金貨を獲得できる唯一の方法は、すでに流通しているガレオン金貨を使った取引を促すこと」と、ショッピングアプリLolliの共同設立者兼CTOのマット・センター(Matt Senter)氏はツイート。

ビットコインの供給量は決まっており、おそらく誰も変えることはできない。危機の際に経済を活性化させるために、世界中の中央銀行が通貨の供給を増やせることとは違う。

イーロン・マスク氏も加わったが

テスラとスペースXの創業者イーロン・マスク(Elon Musk)氏も加わった。

中央銀行による大量の通貨発行と比べると、ビットコインはかなり堅実なものに見える。

結局、ローリング氏は、自身に送られてきた返信内容に納得していないようだ。

同氏は、「皆が私にビットコインを説明してくれている。なんとかの収集物で(人気のフィギュアみたいなもの?)、なんとかのコンピューターで、なんとかの暗号で(不気味に聞こえる)、どうやら皆がリスクを理解しているようだ(私は理解していないが)」と加えた。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:J.K.ローリング氏(Shutterstock)
原文:JK Rowling Asks About Bitcoin. Accursed Crypto Twitter Scares Her Off