ブロックチェーンに株主の投票内容を書き込み、ビットフライヤーHDがバーチャル総会──なりすまし防止機能も実装

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テレワークやオンライン会議が浸透しつつあり、株主総会のオンライン開催を求める声も高まっている。こうした中、暗号資産取引所大手のbitFlyer(ビットフライヤー)を子会社に持つbitFlyer Holdingsが6月26日、臨時株主総会を開催、株主はオンラインで参加して議決権をアプリで行使した。

投票に使われたのはbitFlyer Blockchain(ビットフライヤー・ブロックチェーン)が開発した、投票者のなりすまし防止と、票・集計の改ざん防止の両方を兼ね備えた仕組み。同社は「なりすまし防止機能を実装したブロックチェーンによる株主総会での投票は世界初」としている。

マイナンバーカードと連携して登録・投票

ビットフライヤー・ブロックチェーンが開発したIDサービス「bPassport」はマイナンバーカードと連携させて本人確認を行える仕組み。同社はブロックチェーン投票サービスである「bVote」も開発しており、これらを組み合わせることで、同社のブロックチェーンmiyabiに議案への賛否を書き込めるようにした。

この日はbitFlyer Holdings本社で総会が開かれたが、株主はそれぞれのオフィスなどからオンラインで参加、アプリを使って議案への賛否を投票していた。珍しい取り組みだけに取材陣が大勢訪れ、ビットフライヤー・ブロックチェーンの加納裕三代表取締役がbPassportによる投票者としての登録と、bvoteによる投票を実際に行って見せた。

オンライン総会に出席し、投票した株主らは「ブロックチェーンを使っている点で信頼感がある。投票結果だけでなく、本人確認でもなりすまし防止の対策が講じられている点で優れていると思う」「株主総会は日が集中しており、複数の出資先を持つ当社としては日程が重なると参加が負担になっていた。今回体験してみてあらためてリモート参加が便利だと感じた」などと話していた。

将来的には選挙での活用も?

会社法には、株主総会では物理的な会場を設けるよう定められており、オンラインだけで株主総会を完結させられない。株主総会をオンラインで視聴できるようにしている企業もあるが、視聴できるだけでは法律上は参加とならず、当日の議決権行使や質問などはできなかった。

最近では、物理的な会場を設けて株主総会を開催し、オンラインでも参加できるようにしたハイブリッド型の総会も増えてきているが、これも議決権行使が行えない「ハイブリッド参加型」と、議決権行使ができる「ハイブリッド出席型」がある。今回ビットフライヤーが行ったのが後者の「ハイブリッド出席型」総会だ。

同社は「ハイブリッド型総会の開催を検討する企業が増加しておりますが、セキュリティを担保した投票システムや本人確認システム導入など、開催に向けたハードルが高く、例年通りの株主総会を開催する企業が多い様子」と分析。「将来的には、株主総会のみではなく、その他会議体および各種選挙などへの適用も見据えております」とコメントしている。

文・写真:濱田 優

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