カザフスタンが暗号資産マイニングのメッカに──家庭18万軒分の電力使う新施設が登場

暗号資産のマイニング(採掘)施設を運営するEnegixが9月に、小型発電所の出力に匹敵する180メガワット(MW)のデータセンターをカザフスタンに開設することが分かった。

同社販売統括のドミトリー・イワノフ(Dmitriy Ivanov)氏によると、ロシアとの国境に近いエキバストス(Ekibastuz)にある施設は、最大5万台のマイニング機器が設置可能だという。

最新鋭のマイニング機器──BitmainのAntMiner S19シリーズ、あるいはMicroBTのWhatsMiner M30──をフル稼働させた場合、マイニング能力は約5〜6エクサハッシュ/秒(EH/s)となり、現在のビットコインのハッシュレート(マイニングに使われる計算能力を示す数値)の約4%に相当する。

Enegixはすでに2つのマイニング施設を運用しているが、エキバストスの施設は最大規模の施設となり、エンジニア、電気技師、警備員を含む160人以上を雇用する計画だという。

またこの施設が消費する電力は、アメリカの家庭18万軒分に相当する。

建設は2019年8月に始まり、CoinDeskが入手した資料によると、その費用は2300万ドル(約24億円)にのぼる。

電力が豊富なカザフスタン

施設は、カザフスタンの電力網から直接、電力の供給を受ける予定で、電力は地元の石炭火力発電所で発電される。イワノフ氏は、最も安価な電力源になると語った。

カザフスタンの電力は安価かつ豊富、余剰電力の多くは現在、近隣諸国に輸出されている。

カザフスタンはマイニングおける世界の中心地になり得るとイワノフ氏は話す。国営発電所がフル稼働することは滅多になく、マイニング施設の拡大やマイニング機器の追加稼働に対して、電力供給力に余裕がある。

季節によって電力料金が変わる中国とは異なり、エキバストスの施設のコストは年間を通じてほとんど変わらない。

誘致のために税制を整備

企業誘致や海外からの投資を促したいカザフスタン政府は、暗号資産のマイニングを拡大させるために税制の枠組みも整備した。

ケンブリッジ大学のビットコイン・マイニング・マップによると、カザフスタンは現在、世界のハッシュレート・ランキングで第4位となっており、2019年第3四半期の第6位から上昇している。

マイニング施設のクライアントはあらゆる暗号資産をマイニングできるが、Enegixは既存のデータセンターと同様、ほとんどのクライアントはビットコインをマイニングすると予想している。

イワノフ氏によると、マイニング会社のViaBTC、BTC.com、Canaan、Innosiliconがすでに同施設を訪れている。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Enegix
原文:Bitcoin Mining Facility With Room for 50,000 Rigs Set to Launch in Kazakhstan